来年後半「新興国バブル」も、4大経済国が調達通貨に-JPモルガン

JPモルガン・チェース銀行の債 券為替調査部長、佐々木融氏は、欧州債務問題が収束し、来年後半に リスクオン(選好)の流れとなれば、米国、ユーロ圏、日本、英国の 4大経済国が「資金調達国」となり、新興国や資源国に資金が殺到す る「新興国バブル」が発生する可能性があるとみている。

佐々木氏は4日のブルームバーグ・セミナーで、米金融危機前の 2005-07年は日本のみがゼロ金利で、他国が利上げ局面だったため、 円を借り入れて高利回り資産に投資する「円キャリートレード(円借 り取引)」が活発化したが、今度は世界経済の65%を占める4大経済 国がほぼゼロ金利で、資金調達国になると指摘。資金の行き先が相対 的に小規模な地域に限られつつある中で、「結構ひどいバブルになるの ではないか」と語った。

JPモルガンは、12年1-3月(第1四半期)の米国の経済成長 率を前期比年率0.5%と予想。ユーロ圏は今年10-12月から3期連続 のマイナス成長となり、先進国の成長率は12年1-3月、4-6月そ れぞれ0.3%、0.4%にとどまるとみている。一方、来年後半は持ち直 し、7-9月の先進国の成長率は1.5%、世界経済全体では2.7%(新 興国は6.0%)との見通しを示している。

佐々木氏は「特に欧州の問題が前半にうまく解決してくれれば、 かなり出尽くし感が出る」と指摘。ただ、景気が持ち直しても4大経 済圏は超低金利から抜け出せず、米ドル、ユーロ、円、ポンドが資金 調達通貨となって、オーストラリア・ドルやニュージーランド・ドル、 カナダ・ドル、新興国通貨などに資金が「どんどん入っていくという ことが起きる」と話した。

4日のセミナーは「弱い日本の強い円」というテーマで行われた。 10月に同名の著書を出版した佐々木氏は、年前半に欧州問題が拡大し、 リスクオフ(回避)が強まれば「ユーロ・円であれば1ユーロ=95円 とか90円台前半というようなこともあり得るし、豪ドル・円は1豪ド ル=70円割れというようなレベルに落ち込む可能性も十分ある」と円 高の展開を予想。逆に年後半にリスクオンとなり、「新興国バブル」の 動きとなれば、ユーロ・円が110円に向けて反発したり、豪ドルが80 円台へ急回復するといった展開になるとみている。

佐々木氏は、金融専門誌J-MONEY(旧ユーロマネー誌日本 語版)今秋号の東京外国為替市場調査で、ファンダメンタルズ分析デ ィーラー部門の首位に選ばれている。

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