米短期国債、ツイストオペで投資家に人気-米景気先行き懸念示唆

米連邦準備制度理事会(FRB) は、長期金利の押し下げを目指して保有する短期国債を売却し期間が 長めの国債を同額購入する「オペレーション・ツイスト(ツイストオ ペ)」で、短期国債に対する十分な需要を確認しつつある。こうした 中、10月に見られた米景気回復の力強さの兆候はつかの間に消えるか もしれない。

FRBが9月23日以降売却した償還期限2012年から14年の国 債544億ドル(約4兆2500億円)に対し、トレーダーから7485億 ドルの応札があった。米政府統計によれば、応札倍率は13.8倍とな り、今年これまでに実施された1兆7800億ドル規模の新発債入札で の平均3倍を上回る。

小売売上高や耐久財受注など10月の米経済指標は景気の持ち直 しを示唆したものの、世界経済の成長は減速している。満期が短めの 国債に対する旺盛な需要は、欧州債務危機が深刻化しかねないと債券 投資家が依然として懸念していることを表している。応札状況は米政 府の借り入れコストが過去最低近辺にとどまる見通しを示唆する。

債券市場で3000億ドルを運用するプルデンシャル・フィクス ト・インカムのチーフ投資ストラテジスト、ロバート・ティップ氏は 2日の電話インタビューで、「ドルから資産を分散させる主要な投資 先になると運用担当者の多くが考えていたと思われることが、欧州情 勢によって根本的に撤回させられた」と指摘、「こうした状況から米 国債市場は以前よりも良好に見えている」と語った。

短期債の処分売り起きず

米2年債利回りは先週7ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の0.22%と、8月12日終了週以降で最も大きな下げ幅 となった。ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、同年債価 格(13年10月償還、表面利率0.25%)は1/8上げて100 2/32。10 年債利回りは28bp下げ2.03%となった。

10年債の利回りは2年債を1.81ポイント上回る。トレーダーが 当局の追加措置を予想し始める中で利回り格差(スプレッド)は7月 末時点の2.44ポイントから縮小した。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタムフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は2日の電話インタビ ューで、「ツイストオペはイールドカーブ(利回り曲線)の平たん化 に見事に成功した」一方で、FRBが売却した期限が短めの国債の処 分売りは起きず、「これは本当に強気な動きだ」と説明した。

米景気見通しは一段と悲観的

米景気の停滞が国債需要を下支える一因となっている。FRBは 先週、米経済と雇用の見通しについて今年3度目の引き下げを発表し た。12年の経済成長率はプラス2.5-2.9%と予想、失業率は12年 10-12月(第4四半期)が平均8.5-8.7%で、13年に7.8-8.2% に低下するとみている。FRBが少なくとも13年半ばまでフェデラ ルファンド(FF)金利の誘導目標をゼロ%近辺に維持する方針を表 明した8月9日時点よりも悲観的だ。

ブラックロックのグローバル金利投資責任者、エリック・ペリチ ャロ氏は3日の電話インタビューで、長期の失業率が高く、これは利 上げ実施が相当先であることを示唆しているとの見方を示した。

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