日本株反落、欧州不透明感や米雇用統計低調を嫌気-業績悪化も警戒

東京株式相場は反落。先行きが依 然不透明な欧州債務問題や米国雇用統計の低調が嫌気され、電機や輸 送用機器など輸出関連株、ガラス・土石製品や非鉄金属など素材関連 株中心に安い。業績下方修正銘柄への売り圧力が強く、ミツミ電機や 古河電気工業、旭硝子は東証1部の下落率上位に並んだ。

TOPIXの終値は前週末比1.57ポイント(0.2%)安の750.45、 日経平均株価は同34円31銭(0.4%)安の8767円9銭。日経平均の 日中高安値幅は38円30銭と2月8日(25円10銭)以来、約9カ月 ぶりの狭さ。

しんきんアセットマネジメント運用部の山下智巳主任ファンドマ ネジャーは、「欧州不安が根強いことに加え、国内決算企業はネガティ ブサプライズが多く、機関投資家や海外投資家は手掛けづらい」と指 摘。決算が一巡するまでは、「個別でボラティリティ(変動率)が高ま る展開が続く」との見方を示していた。

ギリシャ情勢は、パパンドレウ首相と最大野党・新民主主義党(N D)のサマラス党首が連立政権を樹立し、国際支援に関連した決定を 実行後、選挙を行うことで合意に達した。パパンドレウ首相は辞任す る。ただ、政権交代後の動向に不透明感が残る上、りそな銀行アセッ トマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテジストは、「市民のデモ 収束の兆しが見えず、財政再建が前進するとは思えない」と指摘。問 題の根深さに、市場参加者は警戒姿勢を崩していない。

イタリアや米景気問題、円高も懸念

10年国債利回りが6.5%近辺まで上昇し、投資家の財政問題への 懸念が高まっているイタリアでは、政府が国際通貨基金(IMF)に 対し、同国の緊縮策実施の監視を要請したと欧州連合(EU)の行政 執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長が4日に明らかにした。欧州 委の専門家が来週にイタリア入りし、監視を始める予定で、IMFの 評価は四半期ごとに実施される。

また、米労働省が4日に発表した10月の雇用統計では、非農業部 門雇用者数が前月比8万人増と過去4カ月で最低の伸びとなり、ブル ームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値(9万5000人増)を 下回った。同月の失業率も9%と高止まりした。豪ペンガナ・キャピ タルで株式10億ドル相当の運用に携わるティム・シュローダーズ氏は、 「米国が景気後退に片足を突っ込んでいることを裏付ける内容で、さ らなる刺激策が必要」と話している。

日本時間7日の東京外国為替市場では、欧州債務問題の先行き不 透明感や米国のさえない経済指標を受け、1ユーロ=107円台中盤と ユーロが下落基調で推移。円は対ドルでもやや強含んだ。

円高警戒感輸出関連を中心に相場の下げ圧力となり、東証1部業 種別33指数ではガラス・土石製品、非鉄金属、パルプ・紙、鉄鋼、精 密機器、輸送用機器、電機、機械が下落。売買代金上位ではキヤノン、 日産自動車、ホンダ、日産自動車、東芝、東京エレクトロンが安い。

古河電工や旭硝子急落、資源は堅調

個別では、タイ洪水による影響などを踏まえて2012年3月期の連 結営業利益予想を310億円から170億円へ、今期末の配当予想を3円 から未定へ変更した古河電気工業が急落。6.2%安となった旭硝子は、 表示デバイス用ガラス基板の出荷が見込みを下回り、11年12月期の 連結純利益予想を下方修正した。4-9月の実績や為替レートの見直 したほか、ナイコメッド社の買収影響を加味し、12年3月期の連結営 業利益予想を3900億円から2700億円へ減額した武田薬品工業も安い。

一方、ニューヨーク原油先物相場は4日、0.2%高の1バレル=

94.26ドルと終値で8月1日以来の高値水準を回復。市況高が収益に プラスに働くとみられ、JXホールディングスや三井物産、三菱商事 など石油、商社といった資源関連株の一角は終日堅調だった。政府が 緊急特別事業計画を認定し、賠償資金として原子力損害賠償支援機構 から約8900億円の援助を受ける道筋がついた東京電力も高い。ゴール ドマン・サックス証券は東電について、当面の債務超過リスクが低下 したとの見解を示した。

このほか、東京証券取引所が来春にも上限付きの株式公開買い付 け(TOB)で株式の過半数を取得、来年秋をめどに合併する方向と 日本経済新聞朝刊で報じられた大阪証券取引所も反発。東証、大証は それぞれ「当社が決定した事実はない」との声明を7日朝に発表した。 先週末に、プロ野球の横浜ベイスターズ買収で総額95億円支払うと発 表したほか、韓国ポータル会社とゲーム分野で提携するときょう一部 で報じられたディー・エヌ・エーが午後一段高となった。

東証1部の売買高は概算で14億5017万株、売買代金は9033億円 で、代金は7営業日ぶりの1兆円割れ。値上がり銘柄数は751、値下 がり747。国内新興市場は、ジャスダック指数が前週末比0.1%高の

48.41、東証マザーズ指数が同0.2%高の400.42とともに小幅続伸。

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