債券先物続伸、欧州債務問題の不透明感継続-入札控え超長期債に売り

債券市場で先物相場は小幅ながら 4営業日続伸。20カ国・地域(G20)首脳会議で、債務危機収束に向 けた欧州の取り組みを支援する具体的な合意が成立せず、先行き不透明 感が継続していることが支援材料。半面、あす8日の流動性供給入札や 10日の40年債入札を控えて、超長期債に調整の売りが出た。

東京先物市場で中心限月12月物は、前週末比3銭高の142円70 銭で始まった後、すぐに6銭高の142円73銭まで上昇し、10月6日 以来の高値を付けた。しかしその後は上値が重く、下落に転じ、一時6 銭安の142円61銭まで下げた。午後は、再び買い優勢の展開となり、 結局、4銭高の142円71銭で引けた。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、ギ リシャなど欧州債務問題について、「前週は、解決の方向に向かってい るとの見方から株高・金利上昇となった。しかし長期金利1.05%の水 準が壁となり、ギリシャの国民投票への警戒感で金利は低下に転じた。 欧州問題の混乱は続いている」と説明した。

国内株式市場で日経平均株価は反落。前週末比34円31銭安の 8767円09銭で取引を終了した。

4日の米国債相場は上昇。G20首脳会議では、ソブリン債危機の 収束に向けた欧州の取り組みを支援する具体的な合意は成立しなかった 。このため、安全逃避先としての米国債が買いを集め、米10年債利回 りは前日比4ベーシスポイント(bp)低下の2.03%程度。一方、米株式 相場は下落。米雇用統計で失業率低下が示されたが、欧州の混乱をめぐ る懸念を背景に売りが優勢だった。S&P500種株価指数は0.6%安の

1253.23。

フランスのカンヌで開かれたG20最終日の4日、ドイツのメルケ ル首相は、世界各国の政策当局者らは欧州救済基金への拠出につながり 得る国際通貨基金(IMF)への新たな資金拠出を約束する前に、10 月27日に合意した救済策の具体的な内容を待ちたいと述べた。ギリシ ャ議会は5日、パパンドレウ内閣を信任した。しかし、6日の与野党会 議では大連立が合意され、首相は辞任を表明した。

一方、イタリア政府は、国際通貨基金(IMF)に対し、同国の財 政緊縮策実施の監視を要請した。欧州連合(EU)の行政執行機関、欧 州委員会のバローゾ委員長が4日、明らかにした。JPモルガン証券の 山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「目先の注目は、ギリシャから イタリアへ移るだろう」と見ていた。

新発10年債利回りは0.985%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債は前 週末比1ベーシスポイント(bp)上昇の0.995%で始まった。その後 は徐々に水準を切り下げ、午後2時50分前後からは、横ばいの

0.985%で推移している。また新発5年物99回債利回りは0.5bp低い

0.34%まで低下した。

トヨタアセットの浜崎氏は、「長期金利の1%割れをどんどん買い 進める水準ではない」と指摘。一方で、「押し目買いも入りやすく、底 堅い展開」とも述べた。

流動性供給入札や40年債入札を控えて、超長期債が売られた。新 発20年物130回債利回りは一時1.5bp高い1.745%、新発30年物 35回債利回りは2bp高い1.95%まで上昇した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用グループリーダーは 、「前週末からの海外動向は消化しにくく、10年債などは動きづらい。 日銀の追加緩和策や『質への逃避』の動きが追い風となり、5年までの ゾーンは買い直しが入った。半面、10日の40年債入札を控えて超長 期債には調整の売りが出て軟調」と述べた。

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