NY外為:ユーロが下落、債務危機のイタリア波及を警戒

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ニューヨーク外国為替市場では ユーロが円とドルに対して続落。イタリアのベルルスコーニ首相への 辞任圧力が強まる中で予算報告に関する投票を8日に控えており、同 国の債務抑制が難航するとの懸念がユーロ売りにつながった。

欧州中央銀行(ECB)のシュタルク理事が域内の債務危機は遅 くとも2年以内に収束するとの見方を示すと、ユーロは対ドルで下げ 渋った。イタリア国債は下落し、10年債利回りはユーロ導入後の最 高を記録した。スイス・フランは下落。スイス国立銀行(中央銀行) のヒルデブランド総裁はフランが一段と下落するとの見通しを示した。

為替ネットワークのトラベレックス・グローバル・ビジネス・ペ イメンツの市場アナリスト、ラビ・バードワシュ氏は「為替相場は分 刻みでユーロ圏の動向に左右されている」と指摘。「この日はイタリ アの利回りが主な材料となり、市場はベルルスコーニ首相の進退を見 極めようとしている」と語った。

ニューヨーク時間午後3時57分現在、ユーロは円に対して前営 業日比0.3%安の1ユーロ=107円55銭。ドルに対しては0.1% 安の1ユーロ=1.3777ドル。この日の安値は1.3681ドル、高値 は1.3838ドル。ドルは対円で0.2%下げて1ドル=78円05銭。

スイス・フランはユーロに対して1.7%下落し、1ユーロ=

1.2411フラン。一時は1.2418フランと、10月20日以来の安 値水準を付けた。スイス中銀が9月6日に設定した1.20フランとい う上限を変更するとの観測が背景にある。対ドルでは1.8%安の1ド ル=90.09サンチーム。

シュタルク理事発言

シュタルクECB理事の債務危機に関するコメントが伝わると、 S&P500種株価指数は上げに転じた。

INGグループの通貨取引ディレクター、ジョン・マッカーシ ー氏(ニューヨーク在勤)は「シュタルク理事は危機が1年か2年で 解決されるとの見方を示し、株価はそれに前向きに反応したようだ。 ユーロは株式相場に追随している」と話した。

ギリシャ政府スポークスマンは7日、パパンドレウ首相と最大野 党・新民主主義党(ND)のサマラス党首の間で、連立政権を率いる 次期首相の人選に関する協議が進展したとの声明を発表した。

ギリシャの連立政権を率いる新首相に国際通貨基金(IMF)ギ リシャ代表を務めるパナギオティス・ルメリオティス氏が就任する可 能性がある。国営NETテレビが情報源を明かさずに伝えた。MEG Aテレビは欧州オンブズマンのニキフォロス・ディアマンドロス氏が 候補に挙がっていると、情報源を明示せずに伝えた。

イタリア10年債が7%に接近

イタリア10年債利回りは一時、6.68%まで上昇。ギリシャや アイルランド、ポルトガルが支援要請に追い込まれた7%の水準に接 近した。イタリア国債の利回り上昇により、ドイツ国債との利回り差 は4.88ポイントと、終値ベースでユーロ導入後の最大に拡大した。

シュナイダーの市場分析責任者スティーブン・ガロ氏は「イタリ アの政局は混迷しており、イタリアのスプレッドは構造的な不均衡や 財政不均衡に取り組む政治的な意志の本質を反映しているに違いない」 と指摘。「イタリアのスプレッドが広がるほど、ユーロの上値は重く なるだろう」と語った。

今週に短期債の入札を控えるイタリアは年に2000億ユーロ以上 の国債を発行する。発行済み国債残高は1兆9000億ユーロと、国内 総生産(GDP)の120%に相当し、ギリシャとスペイン、ポルトガ ル、アイルランドの合計を上回る。

イタリア議会で重要法案の採決を数日以内に控える中、ベルルス コーニ首相率いる連立与党から離脱する議員が相次いでおり、同首相 は求心力の維持に苦慮している。同首相は来週にも信任投票を実施し、 政権維持を図る考えだ。

8日には2010年予算報告に関する投票が下院であり、ベルルス コーニ首相が630議席の過半数を維持できるかどうかの試金石とな りそうだ。

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