米国債(4日):上昇、ソブリン債危機収束の具体策がまとまらず

米国債相場は上昇。20カ国・ 地域(G20)首脳会議では、ソブリン債危機の収束に向けた欧州の 取り組みを支援する具体的な合意は成立しなかった。この結果、安 全逃避先としての米国債が買いを集めた。

週間ベースでの10年債利回りの下げは8月以来で最大となっ た。フランスのカンヌで開かれているG20最終日の4日、ドイツの メルケル首相は、世界各国の政策当局者らは欧州救済基金への拠出 につながり得る国際通貨基金(IMF)への新たな資金拠出を約束 する前に、10月27日に合意した救済策の具体的な内容を待ちたい と述べた。ギリシャのパパンドレウ首相は、4日夜に議会の信任投 票を控えている。この日の朝方、米労働省が発表した10月の雇用 統計で失業率がやや低下したことに反応し、米国債利回りは一時上 昇する場面もあった。

みずほセキュリティーズUSAの米国債トレーディング責任者、 ジェームズ・コンビアス氏(ニューヨーク在勤)は、「欧州への不 安と心配が圧倒的だ」と述べ、「システム全体が影響を受けている。 投資家はショートのままで家路につきたくはないだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク 時間午後4時59分現在、10年債利回り前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の2.03%。同年債価格(表面利率

2.125%、償還期限2021年8月)は11/32上げて100 26/32。 週間ベースで10年債利回りは28bp低下と、8月12日以来で最 も大幅な下げとなった。

30年債利回りは前日比3bp下げて3.09%。一時は6bp 上昇する場面もあった。週間ベースでは9月23日以来で最大とな る28bp下げた。

年初来リターンは8.5%

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、年 初来の米国債リターンは8.5%。これは金融危機の真っ只中にあっ た2008年の同14%以来で最高となっている。

ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプショ ン・ボラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は前日に 109と、8月8日につけた年初来で最高の117.18に接近した。 年初来の平均は93.13となっている。

ブルームバーグが銀行や証券会社を対象に調査したところによ ると、10年債利回りは年末までに2.24%へ上昇すると予想されて いる。

ギリシャ政局

ギリシャのパパンドレウ首相は、大連立内閣の樹立を提案した が、最大野党がこれを拒否した。総選挙実施の可能性が高まってお り、その場合、デフォルト(債務不履行)回避に必要な国際支援の 供与が遅れる可能性がある。

ギリシャは国民投票を実施しないことから、同国のユーロ離脱 は回避されたとみられるものの、政局混迷がギリシャを欧州連合加 盟国初のデフォルトに近づけつつある。

10月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、 季節調整済み)は前月比8万人増。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミストの予想中央値では9万5000人増が見込まれて いた。家計調査に基づく10月の失業率は9%に若干低下した。前 月は9.1%。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は米経 済について、実質賃金がほとんど上昇しない「雇用なき弱々しい回 復」の途上にあるとの見解を示した。

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