今日の国内市況:株式4日ぶり反発、債券続伸-円・ドル78円付近

東京株式相場は4営業日ぶりに反 発。欧州中央銀行(ECB)による予想外の利下げが欧州景気を下支 えするとみられ、輸送用機器や機械、ゴム製品など輸出関連、商社や 非鉄金属など資源関連といった景気敏感業種が買われた。ギリシャ首 相が救済案受け入れの是非を問う国民投票の撤回を示唆し、欧州債務 問題への過度な警戒感も一服した。

TOPIXの終値は前営業日比13.44ポイント(1.8%)高の

752.02、日経平均株価は同160円98銭(1.9%)高の8801円40銭。

ECBは3日の政策委員会で、政策金利を0.25ポイント引き下げ、

1.25%とすることを全会一致で決めた。ブルームバーグが実施したエ コノミスト調査では55人中、49人が据え置きを予想していた。ドラ ギ総裁は利下げについて、「低成長から緩やかなリセッション(景気後 退)へと向かっているとみられる」現状が一因、と説明した。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)は2日の連邦公開市場委 員会(FOMC)で、政策の現状維持を決定。バーナンキ議長は会見 で、経済情勢により一段の金融緩和が正当化されれば、住宅ローン担 保証券(MBS)の追加購入は「現実的な選択肢」になるとの認識を 示した。

一方、ギリシャのパパンドレウ首相は3日、暫定政権を樹立する 方向で野党に打診。合意できれば救済融資が確保でき、ユーロ圏残留 の是非を問う国民投票の必要もなくなると示唆した。

ECBが大方の予想に反し利下げに動いたほか、米FRBが景気 回復を確実にするため、必要に応じ行動を取る方針を示したことで、 欧米株式市場では2、3両日で、S&P500種株価指数が3.5%高、ス トックス欧州600指数は3%高と上昇した。欧米株高を受けきょうの 東京市場では朝方から買い安心感が広がり、日産自動車やホンダ、コ マツ、ファナックといった輸出関連株が上昇。三菱商事や住友商事、 住友金属鉱山など資源関連、三菱UFJフィナンシャル・グループ、 東京海上ホールディングスなど金融株も上げた。

日経平均は午後中ごろまで上げ幅100円前後でこう着感が強かっ たが、終盤に水準を切り上げ、前日に割り込んだ投資家の短期売買コ ストを示す25日移動平均線(8734円)を回復して終えた。週末を控 え、今週前半の下落局面でヘッジを含む売り持ち高を増やした向きか らは、買い戻しの動きが出やすかった。

東証1部の売買高は概算で16億7140万株、売買代金は1兆1531 億円。値上がり銘柄数は1262、値下がりは286。業種別33指数では機 械、ゴム製品、保険、不動産、卸売、輸送用機器、情報・通信、非鉄 金属、証券・商品先物取引など30業種が上昇。電気・ガス、パルプ・ 紙の2業種が下げ、空運は変わらず。

債券続伸、5年利回り1カ月ぶり低水準

債券相場は続伸。ギリシャでは国民投票は回避される方向だが、 内閣信任投票が予定されおり、欧州債務問題に対する不透明感は根強 く、投資家の潜在需要の強さを背景に現物には中期から超長期ゾーン にかけて幅広く買いが入った。新発5年債利回りは約1カ月ぶり低水 準に達した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、2日終値比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.99%で始まった。 午後に入ると1bp低い0.985%と10月26日以来の低水準を付けた。

5年物の99回債利回りは一時1.5bp低い0.34%と10月6日以来 の低い水準を記録。2年物の310回債利回りは0.5bp低い0.135%。 20年物の130回債利回りは1bp低い1.72%、30年物の35回債利回り は1.5bp低い1.92%とともに10月半ば以来の水準まで下げた。

ギリシャのパパンドレウ首相は、大連立内閣樹立の提案を最大野 党に拒否され、窮地に立っている。総選挙実施の可能性が高まってお り、その場合、デフォルト(債務不履行)回避に必要な国際支援の供 与が遅れる可能性がある。同首相は、4日深夜に予定されている信任 投票を前に、党内の分裂を回避するため、欧州連合(EU)と合意し たギリシャ支援策の受け入れの是非を問う国民投票の撤回を示唆した。

東京先物市場で中心限月12月物は3営業日続伸。2日終値比2銭 安の142円56銭で始まり、直後に5銭安まで下落した。しかしその後 は、買いが優勢となってプラスに転じ、午後に入ると142円72銭と 10月6日以来の高値を付けた。結局は9銭高の142円67銭で引けた。

円・ドルは78円付近

東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=78円ちょうど付 近で推移。日中の値幅は12銭にとどまり、こう着した。この日の海外 時間にはギリシャで内閣の信任投票が予定されているほか、米国では 景気動向を見極める上で注目度の高い雇用統計の発表を控えて、一段 の取引には慎重な姿勢が強まった。

78円台前半で東京市場の取引を迎えたドル・円相場は午前9時過 ぎに77円99銭までドルが下落した後、午後にかけて78円ちょうど近 辺でこう着。午後に一時78円11銭までドルが値を戻す場面も見られ たが、上値は限定的だった。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、10月の 米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比で9万5000人増と、 前月の10万3000人増から雇用の伸び鈍化が見込まれている。また、 同月の失業率は4カ月連続で9.1%での高止まりが予想されている。

ユーロ・ドル相場は、前日の海外市場で、ギリシャの国民投票が 見送られるとの見方を背景に一時1ユーロ=1.3855ドルと、2営業日 ぶりの水準までユーロ高が進行していたが、この日の東京市場では上 値が抑えられ、1.3788ドルまで下押しされる場面もみられた。

ユーロ・円相場は前日の取引で一時1ユーロ=108円07銭までユ ーロが上昇していたが、東京市場では107円台半ばから後半を中心に 推移。一時は107円54銭まで水準を切り下げた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は1、2両日に開催した連邦公 開市場委員会(FOMC)で追加の金融緩和には踏み切らず、これま での政策を維持。終了後に発表した声明では、景気判断を前回会合時 よりやや上方修正しながらも、「著しい下振れリスク」が残っていると 指摘した。

一方、3日からはフランスのカンヌで20カ国・地域(G20)首脳 会議(サミット)が開催されている。政府・日本銀行は先月31日、最 大8兆円規模と観測されているドル買い・円売り介入に踏み切ったが、 G20各国の首脳陣から理解が得られるかが、今後の介入動向に影響を 与えそうだ。

ギリシャでは、4日の議会で信任投票が行われる見通しだが、最 大野党・新民主主義党のサマラス党首は、パパンドレウ首相と政権を 組む案を拒否し、首相に辞任を求めている。

焦点となっているギリシャの同国向け支援やユーロ圏残留の是非 を問う国民投票については、電子メールで公表された3日のギリシャ 閣議でのパパンドレウ首相の発言によると、実施しない可能性が示唆 されている。

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