柳井Fリテイリ会長:欧米でM&Aに関心-自社規模以上を視野

衣料品アジア最大手、ファーストリ テイリングは、欧米での成長に企業の買収・合併(M&A)が不可欠 と考え、いつでも案件に対応できるよう準備を進めている。柳井正会 長兼社長が4日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで明らか にした。

柳井氏は、長期構想で掲げる2020年の欧米市場での売上高目標1 兆円達成のためにM&Aが「絶対に必要」と話し、「全米や全欧州で展 開するための経営チーム、配送網、あるいは店舗運営ができる人材な どについて、いろいろ情報を欲している」と述べた。

規模については、同社と同じかさらに大きな対象を視野に入れて いるという。アパレル製造小売り世界8位エスプリをはじめ経営再建 中の企業買収については関心がないと語った。柳井会長は、「高いなと いうくらいのものが欲しい」と述べ優良企業を対象に資金は借金して でも調達する考えを示した。

2007年に米高級百貨店、「バーニーズ・ニューヨーク」の買収を断 念して以来、柳井会長が具体的に先進国での大型買収に言及するのは 久しぶり。先月14日オープンした、米国2店目となるニューヨーク5 番街店には、開店前から2000人の行列ができ初年度からの黒字化目標 にむけて順調な滑り出しを見せた。柳井会長の発言は、先進国を含め た世界展開に対する自信の表れとみられる。

ジャパンインベストの大和樹彦アナリストは、柳井氏の発言につ いて、「欧米での海外展開に自信を持ち始めたという意味ではポジティ ブで自前だけでは潜在需要に応えきれないという感触を持ち始めてい るのではないか」と話した。

円高はいいチャンス

外国為替市場では、円ドル相場が一時戦後最高値を付けるなど円 高が続いている。柳井氏は足元のマクロ環境について「円高もチャン スだし、株安もM&Aには非常にいい環境だ」と述べた。

Fリテイリは20年に売上高5兆円、経常利益1兆円の長期目標を 掲げている。売上高目標のうち、海外ユニクロが3兆円で、欧米、中 国、中国以外のアジアで各1兆円を想定している。

ファーストリテイリングは、これまでセオリー、コントワー・デ・ コトニエ、プリンセス・タム・タムといった海外ブランド企業を買収 してきたが、こうしたグローバルブランド事業の売上高は前期(2011 年8月期)で1240億円と全体の15%に過ぎない。営業利益率は7%と 国内ユニクロ事業の18%に比べ見劣りしている。

柳井会長は、こうしたM&Aについて「かなり失敗したので、か なり勉強した」と話し、M&Aが成功した場合、自らをはじめとする ファーストリテイリングの経営チームが直接経営することで買収効果 を示すことができるという考えを明らかにした。

4、5年で世界一になる可能性も

世界のアパレル製造小売業(SPA)の売上高ランキングで同社 は世界4位。1位はザラを展開するスペインのインデテックス、2位 はスウェーデンのヘネス&モーリッツ(H&M)、3位は米ギャップと なっている。柳井会長はこれまでにも、10年以内には世界一になりた いという希望を表明していたが、今回初めて、順調に成長すれば4、 5年以内にも世界一になる可能性があると言及した。

柳井会長は、M&Aの対象となる企業にも、「1国でするよりもグ ローバルのチャンスがあるところで一緒に成長しH&Mやザラ、ギャ ップを超えられる可能性がある」と呼び掛けていく意向だ。

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