コモディティ投資、取引状況の開示拡充で透明性確保を-G20研究班

20カ国・地域(G20)財務相・中央 銀行総裁会議で国際商品市況の高騰の原因を分析するG20コモディテ ー・スタディグループは4日、コモディティ市場の機能向上を促すため に、取引状況の開示拡充などによる透明性の確保が必要などとする報告 書を発表した。

報告書では、①コモディティ市場の機能向上を促すための施策②金 融市場との影響に関する分析③グローバルな視点での政策対応の3点を 推進することを提案した。

市場の機能向上を促す施策として、現物市場での在庫や生産水準の データ、またデリバティブ(金融派生商品)市場では生産者や金融機関 などによる投資主体別の投資残高の時系列的な開示を行うことなどで透 明性を高めることができるとした。

また、コモディティ・デリバティブ市場は株式市場などと比べると 相対的に規模は小さいものの近年急速に拡大しており、金融機関などの 参加者の適切なリスク管理が重要と指摘。ある金融機関の投資残高が高 まった場合、不測の事態が生じたときには他の金融機関や市場全体への 影響の波及も懸念されるとして個々の金融機関のリスク管理のチェック も必要とした。

報告書では、コモディティ価格の上昇は食料価格の高騰などで社会 の不安定性にもつながるとして低所得国に対する特段の配慮が必要とも 述べている。

スタディグループは今年3月のG20で設立。G20加盟国に加えて国 際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)など9つの国際 機関も参加してコモディティ価格の高騰の影響について議論してきた。

議論では金融機関の参入によって価格のボラティリティ(変動性) が増大し、価格上昇を招いたとして投資ポジションを抑えることが必要 との意見も出たという。一方、デリバティブ市場が流動性を増すことで 投資家だけでなく生産者側にとっても生産計画を立てやすくなるなど有 効な手段を提供するとして規制に反対する意見もあったという。

スタディグループの議長を務めた日本銀行の中曽宏理事は4日、日 銀本店で記者説明を行い「2005年以降コモディティ・デリバティブに参 入する金融投資家が著しく増大しており、株や債券と並ぶ金融資産に近 づいてきた」と指摘。その上で「金融投資家とコモディティ価格の上昇 との関係がどの程度、定量的にあるのかは十分な結論が得られていない が今回の報告書を一つの土台として更に研究が進むことを強く期待して いる」と述べた。

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