ドル78円ちょうどでこう着、ギリシャ信任投票や米雇用統計を見極め

東京外国為替市場では、ドル・円 相場が1ドル=78円ちょうど付近で推移。日中の値幅は12銭にとど まり、こう着した。この日の海外時間にはギリシャで内閣の信任投票が 予定されているほか、米国では景気動向を見極める上で注目度の高い雇 用統計の発表を控えて、一段の取引には慎重な姿勢が強く、こう着した 相場展開が続いた。

78円台前半で東京市場の取引を迎えたドル・円相場は午前9時過 ぎに77円99銭までドルが下落したあと、午後にかけて78円ちょうど 近辺でこう着。午後に一時78円11銭までドルが値を戻す場面も見ら れたが、上値は限定的だった。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の塚田常雅グループマネージャーは 、ある程度の材料は市場で織り込み済みといった状況で、ギリシャの動 向を含めて、「最後はどうなるかというところを確認する局面」だとし て、国内の材料がない中で、値動きの乏しい展開が続いたと説明。その 上で、ギリシャのユーロ圏脱退を連想させるような政治的な不透明感の 台頭や、想定以上の米雇用情勢の悪化など、欧米で最悪材料が確認され ない限りにおいては「市場へのインパクトは大きくない」とみている。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、10月の 米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比で9万5000人増と、 前月の10万3000人増から雇用の伸び鈍化が見込まれている。また、 同月の失業率は4カ月連続で9.1%での高止まりが予想されている。

米景気動向を見極め

米連邦準備制度理事会(FRB)は1、2両日に開催した連邦公開 市場委員会(FOMC)で追加の金融緩和には踏み切らず、これまでの 政策を維持。終了後に発表した声明では、景気判断を前回会合時よりや や上方修正しながらも、「著しい下振れリスク」が残っていると指摘し た。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、米国の雇用情勢 は自動車業界を中心にやや上向きが期待されるものの、金融機関の雇用 削減が足を引っ張る可能性が残ると説明。今回のFOMCで追加緩和は 見送られたが、雇用統計の結果が悪いと、緩和観測が急速に高まる公算 もあるとし、「中々ドルを買っていく環境にはならない」とみている。

一方、3日からはフランスのカンヌで20カ国・地域(G20)首脳 会議(サミット)が開催されている。政府・日本銀行は先月31日、最 大8兆円規模と観測されているドル買い・円売り介入に踏み切ったが、 G20各国の首脳陣から理解が得られるかが、今後の介入動向に影響を 与えそうだ。

佐藤氏は、仮にもう一度円高圧力が強まった時に、当局が介入して 円高阻止に向けた強い意志を示せるかが焦点になると指摘。G20で各 国の首脳から日本の介入に対して批判的な発言が出ると、「円高に振れ る可能性もある」とみている。

安住淳財務相は2日午後の参院本会議で、「引き続き市場を注視し つつ適切に対応していく」とし、市場の動向次第で再度介入する可能性 を示唆している。

ギリシャ情勢の混迷続く

ギリシャでは、4日の議会で信任投票が行われる見通しだが、最大 野党・新民主主義党のサマラス党首は、パパンドレウ首相と政権を組む 案を拒否し、首相に辞任を求めている。

焦点となっているギリシャの同国向け支援やユーロ圏残留の是非を 問う国民投票については、電子メールで公表された3日のギリシャ閣議 でのパパンドレウ首相の発言によると、実施しない可能性が示唆されて いる。

3日のG20サミット開幕を目前にした2日遅くには、ドイツのメ ルケル首相とフランスのサルコジ大統領がパパンドレウ首相を交えて、 フランスのカンヌで協議。独仏側は近く実行するはずだったギリシャへ のつなぎ融資80億ユーロを先送りすることを決め、先週合意された包 括的救済策をギリシャが国民投票で否決すればギリシャは欧州から全て の支援が受けられなくなると警告した。

メルケル首相は記者団に、「国民投票はまさにギリシャがユーロ圏 にとどまりたいかどうかをイエスかノーで問うものだ」と言明。ギリシ ャのユーロ圏離脱も視野に入れた考えを示している。

そうした中、欧州中央銀行(ECB)はドラギ新総裁の就任後初の 政策委員会で、政策金利を0.25ポイント引き下げ1.25%とし、市場 の予想外の利下げに踏み切った。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、ECB会合後の ドラギ新総裁の会見では先行きのリセッションという話も出ており、利 下げが「0.25%1回では終わらない」可能性が高いとし、目先はギリ シャ情勢や米雇用統計後の株価の動向次第ながらも、ユーロの上昇余地 は限られるとみている。

ユーロ・ドル相場は、前日の海外市場で、ギリシャの国民投票が見 送られるとの見方を背景に一時1ユーロ=1.3855ドルと、2営業日ぶ りの水準までユーロ高が進行していたが、この日の東京市場では上値が 抑えられ、1.3788ドルまで下押しされる場面もみられた。

ユーロ・円相場は前日の取引で一時1ユーロ=108円07銭までユ ーロが上昇していたが、東京市場では107円台半ばから後半を中心に 推移。一時は107円54銭まで水準を切り下げた。

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