【クレジット市場】円売り介入の効果消失も、デフレで実質金利上昇

日本経済がデフレに逆戻りして いることは、日本国債が世界最低の利回り水準でも先進国でトップク ラスのリターンを見込めることを意味している。

9月の消費者物価指数(CPI)総合指数は前年比横ばいとなっ たため、投資家は日本の10年国債で0.995%の利回りをフルに得る ことができる。この実質金利は主要7カ国(G7)ではイタリアの

2.79%を除けば最高となる。

日銀は先週、インフレ見通しを下方修正するとともに、戦後最高 値を付けた円高の脅威に見舞われている景気の回復を支援するため国 債購入を増額する方針を表明した。政府は10月31日、今年3回目の 円売り介入を実施した。一方、米国では、米国債利回りはインフレよ りも低い状態にあり、連邦準備制度理事会(FRB)が景気刺激に向 けた追加策を議論している。こうした状況下での日本の一連の取り組 みは円高抑制につながらない可能性がある。

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は、「デフレは通貨価値 がモノやサービスの値段よりも上がっていくということなので、そう した国の通貨は、通貨価値がモノとかサービスの価格より少しずつ下 がっているような国の通貨と比べ、基本的には上がりやすい」と指摘。 デフレとともに「日本銀行が他の中央銀行に比べて金融緩和に慎重な スタンスであるということは円高に効いていると思う」と述べ、米連 邦準備制度理事会(FRB)の金融政策次第では介入効果がなくなる 可能性もあるとの見方を示した。

実質金利比較

10年物米国債の実質金利は3日時点でマイナス1.92%と、過去 1カ月で最低付近にある。10月にはマイナス2.11%と、1980年代以 来の低水準をつけた。ブルームバーグ相関・加重通貨指数によると、 円は過去半年で8%上昇し、先進国通貨10種類の中で最高のリター ンだった。

先進国のインフレ調整後の実質金利は、英国とドイツでもマイナ ス。フランスはプラス0.89%。

最新の日本政府統計によると、9月のCPI総合指数は前年比横 ばいで、8月の0.2%上昇から低下した。日銀は先週、コアCPI (除く生鮮食品)の見通しを7月時点のプラス0.7%から下方修正し た。農林中金の南氏はCPIについて「来年いっぱいはマイナス気味 に推移すると思う」と述べ、「他の中央銀行がやってきたことと比べ ると、まだまだ序の口な気がする」と語った。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のシニア為替 ストラテジスト、グラント・ターリー氏は2日に日銀の介入に関する 取材に対し、「3月のような持続的効果のある協調行動とは異なり、 日銀の単独介入であることを考えると、あまり確信が持てない」と述 べ、「ドルの対円での上昇はほんの一時的なものだ」との見方を示し た。

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