G20:IMFの資本増強策で合意に至らず、欧州首脳に行動求める

20カ国・地域(G20)首脳会 議では、ユーロ圏救済を支援するための新たな資金拠出で合意に至ら なかった。2年におよぶユーロ圏の債務危機をめぐっては、まず域内 の政府に対して解決に向けた一層の努力を求めた。

フランスのカンヌで開かれているG20最終日の4日、ドイツの メルケル首相は、世界各国の政策当局者らは欧州救済基金への拠出に つながり得る国際通貨基金(IMF)への新たな資金拠出を約束する 前に、10月27日に合意した救済策の具体的な内容を待ちたいと述べ た。フランスのサルコジ大統領は、来年2月より前には合意に至らな い可能性があるとの認識を示した。

キャメロン英首相は、「最もひどい事態は、どの国が何に合意し ているかが明確になっていない状態で額を決めようとすることだろう」 と指摘。「IMFの役割は苦しんでいる国を手助けすることだ。通貨シ ステムを支援することではない」と言明した。

世界の主要国がユーロ圏への資金注入に否定的な姿勢を示したこ とは、欧州が自らの力で危機を解決できていないことへの不満を反映 している。また、今回の首脳会議が転換点になると考えていた投資家 の期待もくじく結果となった。

メルケル首相は記者団に対し、欧州金融安定ファシリティー(E FSF)の資金拡充に「加わると表明した国はほとんどない」と述べ た上で、EFSFの支援能力拡大など10月27日の合意事項の実施 を加速させる姿勢を示した。

IMFの役割

G20は声明で、欧州が金融市場の緊張を悪化させたとした上で、 IMFが「その組織的役割を果たすための手段を持ち続ける」ことを 確実にすると表明。その上で、必要性が生じた場合の追加資金の拠出 方法についての議論は財務担当相に委ねる考えを示した。

G20はまた為替レートをめぐってより踏み込み、「市場に価格決 定を委ねる」制度へのより敏速な移行を表明した。また中国による人 民元の柔軟性向上への「決意」を歓迎した。さらにサルコジ大統領は、 金融取引税をめぐるG20の議論は進展したと述べた。

オバマ米大統領は、G20首脳会議で欧州政治の「短期集中コース」 を受けたとし、域内の各国政府が「欧州のプロジェクトはしっかり続 いているという明確なシグナルを送ることが重要だ」と述べた。

BRICSの動き

中国やロシア、ブラジルなどは、IMFを通じて欧州を支援する 可能性を示唆したものの、今回は欧州支援を目的とした資金拠出は見 送る考えを示した。

ロシアのメドベージェフ大統領の経済顧問は、ブラジル、ロシア、 インド、中国、南アフリカ共和国の新興5カ国(BRICS)がユー ロ圏への「資金拠出」について「数週間以内」に決定すると語った。 またブラジルのルセフ大統領は、欧州に「直接の資金拠出を行う計画 も意図もない」と述べたほか、中国もIMFを通じた支援を支持する 考えを大統領に伝えてきたことを明らかにした。

イタリアのベルルスコーニ首相は、IMFによる同国の緊縮策実 施の監視を受け入れた。サルコジ仏大統領は、「ベルルスコーニ首相は 自らが打ち出した緊縮策をめぐって懸念が広がっていることを自覚し ている」と述べた。ベルルスコーニ首相は、IMFによる監視は「要 請したものであり、強制されたのではない」としたほか、IMFによ る金融支援提供を断ったことを明らかにした。

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