NY外為(3日):ユーロ上昇、ギリシャ首相が国民投票撤回を示唆

ニューヨーク外国為替市場では ユーロがドルに対して続伸した。ギリシャのパパンドレウ首相が救済 パッケージの受け入れ是非を問う国民投票の撤回を示唆したことを 受け、救済受諾が否決され同国がデフォルト(債務不履行)に陥ると の懸念が後退した。

ユーロは円に対して3日ぶり反発。午前の取引では一時、対円で 下げ、ドルに対しても3週間ぶり安値に近づいた。欧州中央銀行(E CB)が予想外に政策金利を1.25%に引き下げ、欧州は「緩やかな リセッション(景気後退)」に向かっているとの見方を示したことが 手掛かり。ドルは主要通貨の大半に対して下落。株と商品の相場が上 昇し、安全資産としての需要が弱まった。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・ フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロの上昇は持続する とは思わないが、この日の反発は意外ではない」とし、「ギリシャの 展開がどうであれ、国民投票による否決でデフォルトに陥るという差 し迫ったリスクは取り除かれた。ユーロには好材料だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時03分現在、ユーロはドルに対し前日 比0.5%高の1ユーロ=1.3816ドル。一時0.7%安まで下げる場 面も見られた。今月1日には1ユーロ=1.3609ドルと、10月12 日以来の安値を付けた。この日のユーロは円に対して0.5%上げて1 ユーロ=107円87銭。朝方のECBの利下げ発表を受け、一時は

0.7%下落した。円は対ドルで前日比ほぼ横ばいの1ドル=78円08 銭となっている。

ギリシャの混迷

ブルームバーグ相関通貨加重指数によればユーロは過去1年間 で4%安と、同指数を構成する先進10カ国通貨の中で下落率が最も 大きい。ドルは1.9%安、円は0.7%高となっている。

ユーロ・ドルのオプション1週間物のインプライド・ボラティリ ティ(IV、予想変動率)は一時19.21%に上昇し、9月26日以来 の高水準となった。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジー世界責任者、アラン・ラス キン氏(ニューヨーク在勤)は、「明らかに、投資家が意義あるポジ ションを5分と維持できない状況だ。いつ次の報道で不意打ちを食ら うか読めないからだ」と解説した。

ギリシャのパパンドレウ首相は暫定政権を樹立する方向で野党 に打診した。合意できれば救済融資が確保でき、ユーロ圏残留の是非 を問う国民投票の必要もなくなると示唆した。

ECB利下げ

ECBはこの日の政策委員会で、0.25%の利下げを全会一致で 決定した。ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査で は、55人中49人が据え置きを予想。0.25ポイント利下げ予想は4 人だった。2人は0.5ポイントの利下げを見込んでいた。

この日はドラギ新総裁が就任して初のECB政策決定となった。 政策委員会後の記者会見で同総裁は、「金融市場を覆う緊張は、下半 期以降のユーロ圏の経済成長ペースを鈍化させる公算が大きい」との 懸念を表明した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE