FOMC:バーナンキ議長がMBS追加購入を示唆-景気下振れ警戒

米連邦準備制度理事会(FRB) のバーナンキ議長は住宅ローン担保証券(MBS)の追加購入につい て、経済状況が一段の金融緩和を正当化すれば、「現実的な選択肢」 だと述べた。

同議長は1-2日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に記 者会見し、「住宅セクターは非常に重要だ」と発言。状況が変化して 必要になれば、MBSの追加購入が「検討対象であることは確かだ」 と語った。

FOMCは声明で、景気判断を9月の前回会合時よりやや上方修 正しながらも、「著しい下振れリスク」が残っていると慎重な姿勢を 継続した。

FOMCは今回の会合で、追加の金融緩和には踏み切らず、これ までの政策を維持した。シカゴ連銀のエバンス総裁は追加緩和の実施 を主張して委員会決定に反対票を投じた。緩和政策を求めて反対票を 投じたのは2007年12月のローゼングレン・ボストン連銀総裁以来 で初めて。

一方、前回までの2回の会合で反対票を投じていたコチャラコ タ・ミネアポリス連銀総裁、フィッシャー・ダラス連銀総裁、プロッ サー・フィラデルフィア連銀総裁は賛成に転じた。

FOMCメンバーは2012年の経済成長率予想を引き下げ、来年 第4四半期の失業率を平均8.5-8.7%と予想した。従来の予想は

7.8-8.2%だった。

「不満足」

バーナンキ議長は会見で、「中期見通しは6月の予測から引き下 げられた」と述べ、「依然として不満足だ」と続けた。追加の刺激策 については「引き続き検討中だ」と述べるにとどめ、その条件を具体 的に示すことは避けた。

議長は「経済状況に不満足だ」とした上で、「失業率は高過ぎる」 「経済は望まれるような進展を見せていないとの見解に心から賛同 する」と語った。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト42人を対象に10月 26-31日に実施した調査によると、米金融当局が量的緩和第3弾に 踏み切るとの回答は69%に上った。その過半数に値する36%の回答 者は2012年1-3月期に追加緩和が始まるとみている。

タルーロFRB理事は10月20日、「MBS購入は選択肢の上 位に入れるべきだ」と発言。総需要効果は住宅購入だけでなく、住宅 保有者のローン借り換えによる購買力拡大という面でも発揮される べきだからだと説明した。その翌日、イエレンFRB副議長は経済状 況が追加緩和を正当化するなら、量的緩和第3弾は適切な措置になる かもしれないとの認識を示した。

「是正措置」

バーナンキ議長はこの日、市場との対話と共に「MBS購入と米 国債購入はわれわれが保有する1対の手段だ」と発言。「委員会は将 来の展望を探り、目標を大きく下回っていると判断したなら、金融緩 和は有益であると考えるだろう」とし、その際は「是正措置」をとる と言明した。

FOMC声明は「経済成長は7-9月(第3四半期)に幾分力強 さが増した。これは今年早い段階において経済への重しとなった一時 的要因が消え去ったことも反映している」と指摘した。同時に「景気 見通しに対しては著しい下振れリスクが存在し、これには世界の金融 市場における緊張が含まれる」と記述している。

政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標に ついては、失業率が高止まりしインフレ見通しが「落ち着いている」 限り、少なくとも2013年半ばまでゼロ近辺で維持する方針をあらた めて表明した。FOMCは誘導目標を2008年12月以降、ゼロから

0.25%のレンジにとどめている。

ツイストオペも維持

声明はまた「今後も委員会は最新の情報に鑑み、経済見通しの判 断を続け、物価を安定させつつ力強い景気回復を後押しするため、委 員会が保有するツールを適切に導入する用意がある」と言明した。

FOMCは残存期間が長めの国債を4000億ドル購入し、期間が 3年以内の国債を同額売却する、いわゆる「オペレーション・ツイス ト(ツイストオペ)」を2012年6月まで維持する方針もあらためて 示した。政府機関債と住宅ローン担保証券の償還元本を住宅ローン担 保証券に再投資する現行方針の維持も発表した。

インフレについては「今年初めよりも緩やかになったもようだ」 との表現を継続した。9月の個人消費支出(PCE)価格指数は食品 とエネルギーを除くコア価格指数が前年同月比1.6%上昇と、前月の

1.7%上昇から鈍化した。

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