ソニー:テレビ事業、慢性的な赤字経て縮小均衡へ-円高や低価格化で

薄型テレビ世界3位のソニーが2 日、テレビ事業の改革プランを発表した。価格競争や円高に押され前 期(2011年3月期)まで7年連続で累計5000億円近い赤字を出したこ とを受け、販売台数を追う戦略を転換。生産縮小と効率化で均衡を図 る。

米調査会社ディスプレイサーチによる今年の世界液晶テレビ売上 高予想は1002億ドル(約7兆8300億円)。前年比伸び率は19%から

0.09%へと急低下の見込みだ。先進国での需要減で台数の増加率が 32%から7.6%に鈍化し、低価格化が追い打ちを掛ける。

ソニーは販売台数を今期見込みの2000万台水準に保ちながら、先 進国では品ぞろえを見直し、新興国では各地域の特性に合った機種を 投入するなどして2年後の黒字化を図る。同社の世界シェアは現在、 首位の韓国サムスン電子、同2位の韓国LG電子に次いでいる。

テレビ事業ではパナソニックも抜本的な改革を発表。液晶パネル を外部調達してきたソニーとは違い、半導体やパネルも一貫生産する 「垂直統合方式」だったためリストラ費用も膨大で、今期(12年3月 期)は過去最悪規模の純損失4200億円を計上する。

平井一夫ソニー副社長は2日の会見で、テレビ事業は「成長戦略 に欠かせない柱の1つ」だとした上で「不退転の決意」で改革に取り 組むと強調した。

これに対しSMBC日興証券の三浦和晴アナリストは、一貫生産 で人件費や研究開発費が膨大だったパナソニックとは違い負担の軽か ったソニーが赤字を続けたのは「商品力を高める努力が消費者に受け 入れられなかったため」だと指摘。今後の動向次第では「テレビ事業 を続ける意義が問われるのでは」と述べている。

サムスンとは「さまざまな施策」

ソニーはブラウン管から液晶への転換に出遅れ、04年にサムスン と設立した合弁会社からパネルを調達、シャープなどからの購入も図 ってきた。しかし、08年秋のリーマンショックで状況は一転。欧米の 組立拠点売却や付加価値の高い3D(立体映像)製品への注力などで 採算改善を図ったが、苦戦を続けてきた。

サムスンとの合弁に関しては10月30日付の日本経済新聞朝刊が、 ソニーがパネル調達先の多様化によるコスト削減に向け、解消の検討 に入ったと報じていた。平井副社長は2日の会見で、合弁会社をめぐ りサムスン側と「さまざまな施策」を協議していることは認めた。

野村証券の御子柴史郎アナリストは、パネルは価格変動が激しく 「どこで買っても似たような気がする」と指摘。仮に合弁解消が実現 しても収益が「劇的に改善するかは微妙」だとコメントしている。

--取材協力 天野高志 沢和世

Editor: Norihiko Kosaka Tetsuki Murotani

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ先: 東京 駅 義則 Yoshinori Eki +81-3-3201-3422 yeki@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先:

大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港       Michael Tighe +852-2977-2109  mtighe4@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE