商社CFOが見た為替相場「介入は投機マネー抑止」「一定の円高続く」

政府・日銀は最高値を更新したドル 円相場に対して、円売り介入によって一段の円高進行に歯止めをかける 意向だ。だが、商社の最高財務責任者(CFO)は、1ドル=75円-80 円の間で推移するとの見方が多く、相場が過去1年の平均80円を超える ほどの円安に進むとは見ていない。2日までに終えた決算会見での為替 見通しを集めた。

「75円から80円の間で動く」。三井物産の岡田譲治常務執行役員は 米景気が弱く低金利が続くことなどを理由に「ドルが円に対してこれ以 上強くなることはない。1ドル=80円以上の円安は当面はない」として いる。ただ、今後の政府の介入の可能性も考えると円高に大きく振れる こともないという。

三菱商事の上田良一副社長も「行き過ぎた円高に対して政府として の断固たる姿勢は示された。簡単に75円を大きく割って円高が進むこと は確率的には低い」と指摘する。その一方で、米国での景気減速懸念か ら「簡単にはドルの本格的な回復には向かわない。相当長期間一定の水 準での円高は続く」との見方だ。

住友商事の濱田豊作専務執行役員は、相場は投機目的の投資家が円 の高値をまだ探っている状態と推測している。「為替介入は、効果が期 間限定。変動幅に対する抑止力も限定的だが、投機資金の流入に対して は一定の抑止力を持っている」と言い、「政府には介入の継続をこれか らもしていただきたいし、その結果当面は狭い範囲での動きになるので はないか」と語る。

伊藤忠商事の関忠行専務執行役員は「タイミングが良かったかは別 問題としても政府・日銀による介入は評価すべき」と話す。丸紅の園部 成政常務執行役員は「介入をずっと続けられるわけではなくどこかで落 とし所が見えてくるが当面は75円-80円で推移するのではないか」と述 べた。

10月31日の東京外国為替市場では、早朝に円が対ドルで戦後最高値 75円35銭を付けたことを受け、政府・日銀が今年3回目となる円売り介 入を実施。円は一時79円台半ばまで値下がりした。

【商社6社の第3四半期以降のドル円想定為替と収益への影響】
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        想定為替       1円の円高による年間
                   純利益への減益影響額
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三菱商事      75円(80円)      25億円
三井物産   80円(80円)      18億円
住友商事      80円(85円)      13億円
伊藤忠      80円(80円)       20億円
丸紅          77円(85円)      11億円
双日        80円(80円)      2億円
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(注:双日のみ経常利益への影響額、カッコ内は期初の想定価格)
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