今日の国内市況:株式1カ月ぶり安値、債券先物続伸-ドル78円前半

東京株式相場は3日続落し、約1 カ月ぶりの安値。ギリシャ救済策が頓挫するとの懸念や米国経済指標の 悪化が嫌気され、自動車など輸出関連、保険や証券といった金融株中心 に幅広く売られた。米金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC )が2日まで開催されており、下値を買う動きも出にくかった。

TOPIXの終値は前日比15.92ポイント(2.1%)安の738.58、 日経平均株価は同195円10銭(2.2%)安の8640円42銭。終値でT OPIXは10月6日以来、日経平均は同7日以来の安値水準。

ギリシャのパパンドレウ首相が同国に対する新たな融資計画につい て、国民投票に問う必要があるとの見解を示し、1日の米S&P500種 株価指数は2.8%安、ストックス欧州600指数が3.5%安と欧米株式 は大きく下げた。一方、欧州連合(EU)首脳は2日に緊急会議を開く 。欧州債務危機克服に向けた包括戦略が合意から1週間で崩壊するのを 防ぐため、支援策で求めた緊縮財政措置以外に選択肢はないとの考えを ギリシャに伝える見通しだ。

ギリシャのパパンドレウ首相は2日、欧州の救済策受け入れの是非 を問う国民投票は、同国がユーロ圏の一員であり続けることを確認する ものになるとの考えを示した。政権存続が脅かされる中で、首相はあく までも国民投票を実施する構えだ。

一方、米供給管理協会(ISM)が1日に発表した10月の製造業 景況指数は50.8と、前月の51.6から低下した。在庫がここ1年で最 大の縮小となり、生産も減速した。欧米情勢の不透明感から世界的な景 気減速に伴う需要減退が警戒され、きょうの東京市場では朝方から輸出 関連、鉄鋼や非鉄金属、卸売など素材・資源関連、保険や証券など金融 株まで幅広く売りが先行。ばら積み船の国際運賃市況であるバルチック 海運指数が5日続落した影響もあり、商船三井など海運株も下げが目立 った。

米国では2日、FOMCの結果が公表される。米連邦準備理事会 (FRB)幹部の間で最近、量的緩和第3弾(QE3)実施への前向き な発言が相次いだ。日本はあす祝日休場でもあり、投資家は積極的に買 いを入れにくかった。きょうの日経平均は安値引けで10月11日以降、 上回ってきた投資家の短期売買コストを示す25日移動平均(8727円) を下抜けた。

個別では、トレーディングや投資銀行業務の低迷で、7-9月期の 連結純損失461億円と10四半期ぶりの赤字に転落した野村ホールディ ングスが続落。福島第1原子力発電所2号機の原子炉格納容器ガス管理 システムから放射性キセノンが含まれている可能性がある、などと2日 未明に発表した東京電力も安い。7-9月期利益が前四半期比で減った ことを受け、前日にストップ安(値幅制限いっぱいの下落)で終えたデ ィー・エヌ・エーは続落した。

半面、野村証券とSMBC日興証券が1日付で、強気の投資判断を 据え置いたレンゴーが続伸。午後1時に発表した4-9月期の連結純利 益が前年同期比61%増だった東レは、上昇転換して終えた。東レの上 昇が寄与し、東証1部33業種では繊維製品の1業種のみ高い。東証1 部の売買高は概算で17億6720万株、売買代金は1兆1375億円。値 下がり銘柄数が1371、値上がり196。国内新興市場は、ジャスダック 指数が前日比0.9%安の48.07と小幅続落、東証マザーズ指数は

1.2%安の395.35と3日続落した。

長期金利は1%割れ

債券先物相場は続伸し、4営業日ぶり高値圏で推移した。ギリシャ 債務問題をめぐる懸念が再び高まり、株安・債券高となった米国市場の 流れを引き継いで買いが先行した。国内株安を受けて、長期金利は4営 業日ぶりに1%を割り込んだ。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比22銭高の142円53 銭で取引開始。日経平均株価が続落して始まり、200円近い下げ幅にな ると買いが膨らみ、一時は4営業日ぶり高値の142円62銭まで上昇。 その後いったん142円52銭まで戻したが、午後にはじりじりと値を切 り上げ、再び142円62銭を付けた。終値は27銭高の142円58銭。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利 回りは同1.5ベーシスポイント(bp)低い1.00%で始まり、直後に

0.995%を付け、10月27日以来の1%割れを記録。その後1.00%に 戻したものの、午後1時過ぎには再び0.995%に低下し、その後は同 水準で推移。20年物の130回債利回りは4.5bp低い1.73%、30年物 の35回債利回りは3.5bp低い1.935%とともに10月半ば以来の低水 準。

1日の米国債相場は続伸。ギリシャのパパンドレウ首相が国民投票 と議会の信任投票の実施を求めたことで、ユーロ圏債務危機の解決策の 脅威になった。安全性の高い米国債が買いを集め、米10年債利回りは 前日比12bp低い1.99%程度と約1カ月ぶりの低い水準。一方、米株 式相場は続落し、S&P500種株価指数は2.8%安の1218.28。

2日の日経平均株価は前日比195円10銭(2.21%)安の8640円 42銭と大幅下落した。

日本銀行の白井さゆり審議委員は2日午後、甲府市内で会見し、欧 州のソブリン問題が一段と深刻化する可能性は「ゼロではない」とした 上で、仮にそうなった場合、投資家のリスク回避姿勢が強まり、世界的 に株価が下落する可能性があるほか、「外国為替市場で相対的に安全通 貨とみなされる円が買われる可能性がある」と述べた。

白井委員は「金融市場は非常に不安定化している」と言明。円高が 「マインドや実体経済に与える影響を非常に注視している」と述べた。 また、日銀が先月27日に追加緩和に踏み切ったことで、景気の上振れ、 下振れのリスクは「今のところバランスが取れている」としながらも、 欧州問題をめぐる不確実性が大きいことから、「あえて言えば下振れリ スクの方が強い」と語った。

ドルは78円前半で売り圧力

東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=78円台前半で、 ややドル安・円高圧力がかかった。欧州債務問題の不透明感が強まる中 、この日の米国時間には連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、景 気刺激に向けた追加の金融緩和姿勢が示される可能性を警戒して、徐々 にドル売り圧力が強まった。

ドル・円相場は早朝に付けた78円42銭を円の下値に、午後の取 引にかけて78円台前半でこう着。取引終盤には一時78円09銭までド ル安・円高が進む場面も見られた。午後4時2分現在は、78円14銭 付近で取引されている。

ユーロ・ドル相場は日本時間朝の取引で、ギリシャの国民投票に関 するパパンドレウ首相の発言が伝わると、ユーロ売りが先行し、一時1 ユーロ=1.3637ドルまでユーロが下落。その後は、下げ渋る展開とな り、午後の取引では1.3754ドルまでユーロ高・ドル安が進む場面も見 られた。

この日の米国時間には、FOMCの結果が判明する。米連邦準備制 度理事会(FRB)の当局者から、景気刺激に向けた追加緩和の可能性 を示唆する発言が目立つ中、足元では再び欧州情勢の不透明感が増して おり、バーナンキ議長の会見内容が注目されそうだ。

欧州の債務問題に関しては、先週行われた一連の会議で、ギリシャ 債の民間投資家の損失負担を50%とすることで銀行側と合意するなど、 課題を残しつつも、一応の決着に漕ぎ着けていた。しかし、週明け31 日には、当事国ギリシャが、新たな融資計画について国民に是非を問う 意向を表明したことで、情勢が再び不安定化していた。

ギリシャが同国向け支援をめぐる国民投票を実施する姿勢を堅持す る中、欧州債務問題の解決に向けた域内の協調姿勢が根底から覆されか ねないとの懸念が台頭。1日の米欧市場では株安・債券高となり、リス ク回避の様相を強めた。

事態を重く見たドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領 は1日、ギリシャ問題で緊急会談し、先週ブリュッセルで議論した対策 パッケージの実施を欧州各国に呼び掛けた。また、3日開幕のG20を 前に、2日には、独仏首脳を中心に緊急会議が開かれる。

格付け会社フィッチ・レーティングスは、ギリシャが同国救済策を 盛り込んだ欧州の計画について国民投票を実施する方針を示したことに ついて、域内の金融安定を脅かすものだと指摘している。

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