ドルが78円前半で売り圧力、FOMC控え追加緩和姿勢を警戒

東京外国為替市場では、ドル・円 相場が1ドル=78円台前半で、ややドル安・円高圧力がかかった。欧 州債務問題の不透明感が強まる中、この日の米国時間には連邦公開市場 委員会(FOMC)を控えて、景気刺激に向けた追加の金融緩和姿勢が 示される可能性を警戒して、徐々にドル売り圧力が強まった。

ドル・円相場は早朝に付けた78円42銭を円の下値に、午後の取 引にかけて78円台前半でこう着。取引終盤には一時78円09銭までド ル安・円高が進む場面も見られた。午後4時2分現在は、78円14銭 付近で取引されている。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、20カ国・地域(G 20)首脳会議を前に欧州の歩調の乱れが目立っているうえ、FOMC を控えて、ドル安・円高方向に「圧力が強まる可能性がある」と指摘。 FOMCに関しては、先月末からの当局者の発言で緩和的な方向の内容 が多く、なおかつこのタイミングで欧州情勢が不透明感を強めているこ とから、「どちらかというと、将来的な緩和を含めた内容」が見込まれ るとしている。

ユーロ・ドル相場は日本時間朝の取引で、ギリシャの国民投票に関 するパパンドレウ首相の発言が伝わると、ユーロ売りが先行し、一時1 ユーロ=1.3637ドルまでユーロが下落。その後は、下げ渋る展開とな り、午後の取引では1.3754ドルまでユーロ高・ドル安が進む場面も見 られた。

この日の米国時間には、FOMCの結果が判明する。米連邦準備制 度理事会(FRB)の当局者から、景気刺激に向けた追加緩和の可能性 を示唆する発言が目立つ中、足元では再び欧州情勢の不透明感が増して おり、バーナンキ議長の会見内容が注目されそうだ。

ギリシャ情勢の不透明感増す

パパンドレウ首相は2日未明、アテネで閣僚らに対し、「国民投票 は明確な負託であり、われわれが欧州と同じ方向に進むこととわが国の ユーロへの参加を示すギリシャ国内外に対する力強いメッセージになる 」と発言。国民投票は「この方向性を最も決定的な方法で保証するもの だ」と述べた。発言内容は電子メールを通じて配布された資料で明らか になった。

欧州の債務問題に関しては、先週行われた一連の会議で、ギリシャ 債の民間投資家の損失負担を50%とすることで銀行側と合意するなど、 課題を残しつつも、一応の決着に漕ぎ着けていた。しかし、週明け31 日には、当事国ギリシャが、新たな融資計画について国民に是非を問う 意向を表明したことで、情勢が再び不安定化していた。

大和証券債券部為替課の亀岡裕次担当部長は、ギリシャがここにき て、全面的に国民の意見に傾くような政策をとれば、支援が引き揚げら れてギリシャ債はデフォルト(債務不履行)に陥り、ユーロ圏を離脱す るという最悪のシナリオも警戒されると指摘している。

ギリシャが同国向け支援をめぐる国民投票を実施する姿勢を堅持す る中、欧州債務問題の解決に向けた域内の協調姿勢が根底から覆されか ねないとの懸念が台頭。1日の米欧市場では株安・債券高となり、リス ク回避の様相を強めた。

事態を重く見たドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領 は1日、ギリシャ問題で緊急会談し、先週ブリュッセルで議論した対策 パッケージの実施を欧州各国に呼び掛けた。また、3日開幕のG20を 前に、2日には、独仏首脳を中心に緊急会議が開かれる。

格付け会社フィッチ・レーティングスは、ギリシャが同国救済策を 盛り込んだ欧州の計画について国民投票を実施する方針を示したことに ついて、域内の金融安定を脅かすものだと指摘している。

そうした中、3日には欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定会合 も開かれる。トリシェ前総裁の任期が10月31日に満了し、今回がド ラギ新総裁の初会合となるが、着任早々にギリシャをめぐる情勢が不安 定化し、手腕が試されそうだ。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE