債券先物が続伸、ギリシャ債務懸念再燃で買い先行-長期金利1%割れ

債券先物相場は続伸し、4営業日 ぶり高値圏で推移した。ギリシャ債務問題をめぐる懸念が再び高まり、 株安・債券高となった米国市場の流れを引き継いで買いが先行した。 国内株安を受けて、長期金利は4営業日ぶりに1%を割り込んだ。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、ギリシャのパパンドレウ首相が欧州連合(EU)などによる 支援策受け入れについて国民投票実施を求めたことを受け、「ショート カバー(売り建ての買い戻し)を余儀なくされ、先物以降の長いゾー ンに買いが入っている」と説明。一方、「長期金利の1%割れをどんど ん買い進むムードではない」とも述べていた。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比22銭高の142円53 銭で取引開始。日経平均株価が続落して始まり、200円近い下げ幅に なると買いが膨らみ、一時は4営業日ぶり高値の142円62銭まで上昇。 その後いったん142円52銭まで戻したが、午後にはじりじりと値を切 り上げ、再び142円62銭を付けた。終値は27銭高の142円58銭。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは同1.5ベーシスポイント(bp)低い1.00%で始まり、直後に0.995% を付け、10月27日以来の1%割れを記録。その後1.00%に戻したも のの、午後1時過ぎには再び0.995%に低下し、その後は同水準で推 移。20年物の130回債利回りは4.5bp低い1.73%、30年物の35回債 利回りは3.5bp低い1.935%とともに10月半ば以来の低水準。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、欧州の債務 問題は簡単には解決しないとしながらも、金融機関の破綻リスクは増 資の枠組みが出てから緩和されて最悪期からは良くなっていると指摘。 その上で、「長期金利は1%割れまで低下したものの、1%割れの水準 では戻り売りが出る」とみていた。

欧州債務懸念が再燃

1日の米国債相場は続伸。ギリシャのパパンドレウ首相が国民投 票と議会の信任投票の実施を求めたことで、ユーロ圏債務危機の解決 策の脅威になった。安全性の高い米国債が買いを集め、米10年債利回 りは前日比12bp低い1.99%程度と約1カ月ぶりの低い水準。一方、 米株式相場は続落し、S&P500種株価指数は2.8%安の1218.28。

2日の日経平均株価は前日比195円10銭(2.21%)安の8640円 42銭と大幅下落した。

日本銀行の白井さゆり審議委員は2日午後、甲府市内で会見し、 欧州のソブリン問題が一段と深刻化する可能性は「ゼロではない」と した上で、仮にそうなった場合、投資家のリスク回避姿勢が強まり、 世界的に株価が下落する可能性があるほか、「外国為替市場で相対的に 安全通貨とみなされる円が買われる可能性がある」と述べた。

白井委員は「金融市場は非常に不安定化している」と言明。円高 が「マインドや実体経済に与える影響を非常に注視している」と述べ た。また、日銀が先月27日に追加緩和に踏み切ったことで、景気の上 振れ、下振れのリスクは「今のところバランスが取れている」としな がらも、欧州問題をめぐる不確実性が大きいことから、「あえて言えば 下振れリスクの方が強い」と語った。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、白井委 員の講演について、「専門分野の欧州問題ではきれいに整理された説明 が展開されたが、ギリシャやイタリアといった個別国の各論にまで踏 み込んだ言及はなされなかった。金融政策に関する独自のビューも今 回の講演では見えてこなかった」と分析した。

--取材協力 赤間信行、池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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