ドラギ新ECB総裁、波乱の船出-ギリシャ爆弾発言とイタリア債下落

【記者:Simon Kennedy and Gabi Thesing】

11月1日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)では10 月31日に任期を満了したトリシェ前総裁に代わり、マリオ・ドラギ 氏が1日、新総裁に就任した。ギリシャのパパンドレウ首相の爆弾発 言が市場を揺るがす中での波乱の船出となった。

パパンドレウ首相は昨夜遅く、ギリシャ救済についての国民投票 を実施する方針を明らかにした。救済頓挫への懸念が広がりイタリア 国債は下落。ドイツ国債との利回り格差は一時、ユーロ導入来の最大 に拡大した。

新総裁就任からわずか数時間前に起きた展開は、ECBのユーロ 防衛戦で政治が脅威となり得る現状を浮き彫りにするとともに、EC Bが高債務国の国債購入を続けることへの圧力をいやが上にも高めた。 ギリシャ国民が救済案を拒否すれば、ギリシャはデフォルト(債務不 履行)に陥るリスクがある。イタリアとスペイン債が急落し、ECB は域内の全ての国債を無制限に保証しなければならなくなる可能性も ある。

ジョー・ベレンベルク・ゴスラーのチーフエコノミスト、ホルガ ー・シュミーディング氏は「ギリシャの行動はイタリア、およびEC Bを含むユーロ圏の政策当局が、ギリシャの周囲にしっかりと防火壁 を築き、イタリアへのより深刻な波及を防ぐことの重要性を格段に高 めた」と語った。

事情に詳しい複数の関係者によると、ECBはこの日、イタリア 国債を購入した。

3日に政策委員会デビュー

イタリア中銀総裁からECB総裁となったドラギ氏はトリシェ前 総裁から、市場の安定とユーロを守り、政府が危機解決策を見いだす までユーロ圏経済を支える責務を受け継いだ。ドラギ総裁は3日、総 裁として最初の政策委員会に臨む。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の欧州担当チーフエコノミスト、ジャック・カイユ氏は「ECBは依 然として、唯一信頼できる危機防波堤だ。システム全体への波及リス クの新たな高まりを防ぐため、国債購入を大幅に増やすことを余儀な くされるだろう」と話している。

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