金融株の投資判断でシティが1位、判断力と運の力-ゴールドマン2位

アントニオ・グリエルミ氏は 2月の初めのある日、イタリアでACミランとSSラツィオの退屈な サッカーの試合を観戦していた。同氏の心は欧州の銀行へとさまよっ ていった。これはメディオバンカの金融機関担当アナリストとして同 氏が毎日考えていることでもある。

同氏はボールがゴールの間を空しく行ったり来たりするのを見な がら、ロンドンのオフィスに戻ったらユーロ圏の金融機関の資本につ いてもっとよく調べてみようと決心した。ブルームバーグ・マーケッ ツ誌12月号が報じた。

当時、銀行株は金融危機後の高値を付け、ブルームバーグ欧州銀 行金融サービス指数は2009年3月の安値から約144%上昇してい た。しかしグリエルミ氏と同氏率いる11人のチームはトラブルを予 想していた。アナリストらは2月7日のリポートで銀行セクターの投 資判断を引き下げ、新たなメルトダウンが起こった場合に身を守る十 分な資本がないと指摘した。

現実の「否定は不毛だ」とリポートには記された。ブルームバー グの指数によると、この投資判断下げから8月31日までで欧州銀行 株は34%下落した。

フランスとイタリアの銀行株が急落するとの予想によって、グリ エルミ氏は金融株予測の正確さで世界のトップ20アナリストに入っ た。ブルームバーグ・マーケッツ誌が212社のアナリスト2900人 余りについて、09年1月1日から11年8月31日までの予想を比 較して会社とアナリストの順位をまとめた。

会社別ではシティ1位

会社別では金融株予想の1位は米銀シティグループ。同行のロン ドンの資本市場アナリストチームは金融株43銘柄中26銘柄につい て正しい予想を示した。これらはチームがカバーしている銘柄で、ブ ルームバーグ・マーケッツが番付の基準に採用している銘柄。昨年の シティの順位は5位。

シティの投資調査世界責任者のアンドルー・ピット氏は「現在を 含めここしばらくは株式相場予想が容易な環境ではなかった」として、 「従って、ここ12カ月に金融株について正しく予想できたとしたら、 判断力に加えて運もあっただろう」と語った。

欧州債務危機と世界の銀行規制改革、投資家の株離れが金融株予 想を世界中で難しくしたと同氏は説明。今の株価は個別企業の業績や 経営判断よりもむしろ、幅広い政治的・経済的事象によって動いてい ると語った。

シティの予想の的中率は60%。昨年1位はゴールドマン・サッ クス・グループでこの割合は38%だった。ゴールドマンは今年の調 査で、金融株44銘柄中25銘柄で正しい予想を示し2位となった。

212社全体では的中率ははるかに低く、16銘柄中1.3銘柄の 割合で予想が的中した。

グリエルミ氏はイタリア2位の銀行インテーザ・サンパオロとフ ランスの大手銀行BNPパリバとソシエテ・ジェネラルの投資判断に よってアナリストの上位20に入った。同氏は7月5日にソシエテと BNPの判断を「セル(売り)」に変更。両行株はその後8月31日 までにそれぞれ43.2%と32.6%下落した。インテーザについては 10年11月10日以来「セル(売り)」または「ホールド(保有)」 にしていたが、同日から今年8月31日までで同銘柄は46.5%下落 した。

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