今日の国内市況:株式が続落、債券は上昇、ユーロ下落-欧米懸念で

東京株式相場は続落。為替の円高 や欧州債務問題への懸念が根強く、電機や機械など輸出関連、化学な ど素材関連、海運株といった景気敏感業種が安い。個別では、今期大 幅な最終赤字見通しとなったパナソニック、7-9月期利益が前四半 期比で減ったディー・エヌ・エーの下げが目立った。

TOPIXの終値は前日比9.56ポイント(1.3%)安の754.50、 日経平均株価は同152円87銭(1.7%)安の8835円52銭。両指数と も安値引けとなった前日に続き、この日も取引終盤に一段安となった。

1日午前の東京外国為替市場では一時1ドル=78円02銭、1ユ ーロ=107円67銭と、前日の午後3時時点からは円高方向に振れた。 前日は、政府・日本銀行による円売り介入が実施され、円は対ドルで 75円50銭付近から79円台半ばまで急落、対ユーロでは1ユーロ=111 円台まで売られた。

前日の欧州債市場では、イタリアを中心に高債務国の国債が下落。 ユーロ圏が先週の首脳会議で合意した危機対応策では域内債務危機の 拡大を阻止できない、との懸念が広がった。イタリア5年債利回りは、 ユーロ導入の1999年以降で最高水準となり、スペイン10年債利回り は12週ぶりの高水準となった。

一方、米ブローカー・ディーラーの持ち株会社であるMFグロー バルは10月31日、欧州ソブリン債への投資が裏目に出たことで、米 連邦破産法11条の適用を申請した。米S&P500 種株価指数の前日終 値は2.5%安、ストックス欧州600指数は2.2%安だった。

きょうの日経平均は、午前に42円安まで下げ渋る場面があったが、 午後後半に一時156円安まで一段安。為替が対ユーロを中心にやや円 高方向に振れたほか、シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX) の米S&P500種株価指数先物が、基準価格比10ポイント以上下げ、 日本時間今夜の米国株安への警戒も日本株の売り圧力につながった。

東証1部の売買高は概算で14億6678万株、売買代金は1兆561 億円。下落銘柄数は1095、上昇429。業種別33指数では海運やゴム製 品、化学、非鉄金属、精密機器、電機、機械、鉄鋼、輸送用機器など 世界景気に敏感な業種を中心に28業種が下落。パルプ・紙、電気・ガ ス、陸運など内需関連中心に5業種が上げた。国内新興市場は、ジャ スダック指数が前日比0.3%安の48.51と小反落、東証マザーズ指数 は3.1%安の400.31と続落した。

長期金利は3日ぶり低水準

債券相場は上昇。長期金利は3日ぶり低水準を付けた。欧州債務 懸念の再燃を受けて株安・債券高となった米国市場の地合いを引き継 いで、買い優勢の展開となった。この日実施された10年利付国債入札 は投資家需要を背景に順調だった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは前日比2.5ベーシスポイント(bp)低い1.02%と、3日ぶりの低水 準で始まった。午前9時半前に2bp低い1.025%を付け、その後は同 水準での推移が続いている。

中期債や超長期債は総じて堅調。5年物の99回債利回りは一時2 bp低い0.36%まで低下。20年物の130回債利回りは一時1bp低い

1.77%、30年物の35回債利回りは2bp低い1.965%まで低下した。

財務省がこの日実施した10年利付国債(318回債)の入札結果に よると、最低落札価格は99円76銭となり、事前予想を1銭上回った。 小さければ好調とされるテール(最低と平均価格との差)は1銭とな り、前回の2銭から縮小。応札倍率は3.26倍と前回(3.15倍)から 上昇し、4月以来の高水準となった。

東京先物市場で中心限月12月物は4営業日ぶりに反発。前日比 34銭高の142円40銭で始まり、直後に3日ぶり高値の142円43銭を 付けた。午後に入ると16銭高まで上げ幅を縮めたが、結局は25銭高 の142円31銭で引けた。

31日の米国債相場は大幅高。米金融大手が経営破綻したことなど を受けて欧州債務問題に対する警戒感が強まり、米国株相場が急落し、 米国債が買われた。米10年債利回りは前週末比20bp低い2.11%程度。 S&P500種株価指数は同2.5%安の1253.30。

円は78円前半で介入にらみ

東京外国為替市場では、ユーロがドルや円に対して下落した。欧 州債務問題の先行き懸念を背景に株価が軟調に推移するなか、リスク 回避の流れが継続。ユーロは対ドルで1ユーロ=1.3800ドルを割り込 んだ。

一方、ドル・円相場は1ドル=78円台前半で小幅な値動きが続い た。前日の政府・日本銀行による円売り介入を受け、連続介入への警 戒感がくすぶるなか、朝方には一時79円台目前まで円安に振れる場面 も見られたが、すぐに円が値を戻した。

ユーロは対ドルで一時、1ユーロ=1.3747ドルと10月21日以来 の水準まで下落。対円では朝方にドル・円につられる形で一時、1ユ ーロ=109円前半までユーロ高・円安に振れる場面も見られたが、午 後には108円ちょうどを割りこんで、一時107円38銭まで値を切り下 げた。

1日のアジア株式相場は続落。ギリシャのパパンドレウ首相が前 日に欧州の新たな融資合意を国民投票にかける方針を表明したことが 響いたほか、中国の10月の製造業購買担当者指数(PMI)が予想外 に低下したことが重しとなった。前日の欧米株式相場も欧州債務懸念 や米金融大手の破産を嫌気して大幅下落となっていた。

リスク回避の流れが強まるなか、ドルと円はほとんどの主要通貨 に対して前日終値比で上昇。一方、オーストラリア・ドルは全面安と なった。世界的な成長鈍化の兆しを背景に、オーストラリア準備銀行 (中央銀行)はこの日2年半ぶりに利下げを実施。豪中銀のスティー ブンス総裁が同国のインフレ率は中銀の目標に近い水準だと指摘した ことで、追加利下げ観測が強まった。

安住淳財務相は1日午前の閣議後会見で、政府・日銀が前日実施 した円売り・ドル買い介入に関連し、介入後の為替相場については「コ メントしない」としながらも、「今後も注意深く市場を監視する」と述 べるとともに、「適時、適切に判断する」と語った。財務相は、前日の 介入に関して「過度な変動や無秩序な動きが行われていると判断した」 と述べ、主要7カ国(G7)や20カ国・地域(G20)の共同声明にの っとったものだとして、正当性を強調した。

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