野村HD:10四半期ぶりの赤字転落、欧州問題で-収益構造の改革急務

野村ホールディングスの7-9月期 の連結決算は10四半期ぶりの赤字に転落した。欧州債務問題を背景と した金融取引の低迷でトレーディングや投資銀行業務が振るわなかっ た。野村では総額12億ドル(約930億円)のコスト削減策も決めたが、 それを着実に実現した上で利益を稼ぎ出すことが課題となる。

野村が1日開示した7-9月期(第2四半期)の純損益(米会計基 準)は461億円の赤字(前年同期は11億円の黒字)。ブルームバーグ・ ニュースが事前に集計したアナリスト7人の予想平均350億円の赤字を 上回った。収益合計は不動産会社の連結化で前年同期比18%増えたが、 同4分の1に急減したトレーディング収益などが響いた。

リーマン・ブラザース買収以降、国際展開の強化を進めている野村 だが、7-9月期の海外部門は、米州、欧州、アジア・オセアニア全拠 点の税引き前損益が赤字。前年同期は黒字だった米州も赤字となり、そ の合計額は524億円(前年同期は142億円の赤字)に上った。

野村HDの株価はリーマンの欧州・アジア部門を事業買収した2008 年秋以降、ほぼ一貫して下落。2011年だけでも40%下落し、10月5日 にはグローバル事業に対する懸念から37年間で最低水準の264円を付 けた。11月1日終値は294円だった。株価回復には収益の確保、利益拡 大が欠かせない。

コスト削減進め、今期黒字化へ

野村の柴田拓美代表執行役グループCOOは1日午後6時半過ぎ からの投資家向け電話会議で、「4億ドルのコスト削減の進捗率は6割 ぐらい」と説明。今回の追加分は7割が人件費とし「かなりのものを今 年度中に終えておきたい」と述べた。柴田氏は「今期、黒字にするため に必死に戦う」と強調した。4-9月期は283億円の赤字だった。

JPモルガン証券の辻野菜摘アナリストは、野村について「すかい らーくの売却益計上で第3四半期は黒字転換する可能性はあるが一過 性の利益でしかない」と指摘。マーケットの状況に影響されない収益構 造に変えるには、「強みを持つ国内事業の強化とともに、さらなるコス ト削減が必要」とみている。

中川順子執行役兼財務統括責任者(CFO)は1日の決算会見で、 「不透明な市場環境が続く中、損益分岐点を下げて競争力を高める」と 強調。今後は円高を背景に海外進出する日本企業のM&A(合併・買収) 助言やアジアで展開する富裕層向け業務などを強化し、「日本を軸にア ジア、欧州、米国をつなぐ仕事でレベニューを上げていく」と述べた。

ブルームバーグ・データによると、7-9月の野村HDは、グロー バルベースでの株式関連の引き受けが7件・4億3000万ドルで順位は 34位、M&Aでは36件・125億ドルで24位だった。国内では株式関連 が7件・338億円で3位、M&Aでは23件・6583億円を獲得して9位 だった。

東京証券取引所の資料によると7-9月の1日当たりの株式売買 代金(第1部、2部、マザーズ合計)は約1兆3550億円で、前年同期 に比べると7.7%増加した。同期間の日経平均株価は11%下落した。

--取材協力:伊藤小巻、 谷口崇子 Editor: Kazu Hirano Takeshi Awaji

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