米銀がギリシャ債などの保証引き受け増加-デフォルト時リスク膨らむ

米銀はギリシャとポルトガル、ア イルランド、スペイン、イタリアの債券を保証する引き受けを今年1 -6月(上期)に拡大した。デフォルト(債務不履行)時の支払いリ スクが膨らんでいる。

国際決済銀行(BIS)のデータによると、これらの国の国債と 銀行債、社債に対する米銀の保証規模は807億ドル(約6兆3000億 円)増加し、5180億ドルに達している。事情に詳しい関係者2人に よると、そのほぼすべてがクレジット・デフォルト・スワップ(CD S)だという。

こうした支払いリスクは、CDS引き受け上位のJPモルガン・ チェースとモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス・グルー プの報告より大きい。銀行側は、他社に販売するCDSの損失を補う CDSを購入しているとして、ネットポジションは比較的小さいと説 明している。しかし、米欧双方の銀行が損失ヘッジのためにデリバテ ィブ(金融派生商品)を活用しており、潜在的な損失は減っていない と、投資銀行KBW(ニューヨーク)の調査ディレクター、フレデリ ック・キャノン氏は指摘する。

キャノン氏は「リスクはこうした取引で消えるものではない」と 言明、「これらのエクスポージャー全体に関連する重要な問題はカウ ンターパーティー(取引相手方)リスクだ。デフォルトを理由に清算 となれば、カウンターパーティーたちは持ちこたえられるだろうか。 誰もが互いに購入し合っているならば、最終的に損失を負担するのは 誰なのだろうか」と語る。

AIGでの経験

同じようなヘッジ戦略は、2008年に米保険会社アメリカン・イ ンターナショナル・グループ(AIG)が保証した住宅ローン関連証 券をめぐり資金繰りが立ち行かなくなった際、ほとんど機能しなかっ た。

BISの最新データによると、ギリシャなど欧州5カ国をめぐる 米銀によるCDSの引受残高は6月末時点で、直接融資1810億ドル の3倍近くに達している。

米銀によるギリシャとポルトガル、アイルランド、スペインのC DS引き受けの増加と、ドイツと英国の銀行のエクスポージャーの減 少はほぼ釣り合っている。イタリアについてはこの傾向は当てはまら ない。

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