債券上昇、欧州懸念再燃や10年債入札順調で-長期金利は3日ぶり水準

債券相場は上昇。長期金利は3日 ぶり低水準を付けた。欧州債務懸念の再燃を受けて株安・債券高とな った米国市場の地合いを引き継いで、買い優勢の展開となった。この 日実施された10年利付国債入札は投資家需要を背景に順調だった。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは「株価 が下落しており、リスクオン(選好)の状況にはなっておらず、債券 には押し目買いが入っている。欧州債務問題の懸念は払しょくされて おらず、包括案の詳細も明らかになっていない」と話した。一方、10 年債入札については「好調な印象。利回り1%を超えていれば買う人 は多いようだ」と分析した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは前日比2.5ベーシスポイント(bp)低い1.02%と3日ぶり低水準で 始まった。午前9時半前に2bp低い1.025%を付け、しばらく同水準 で推移したが、午後4時過ぎから再び1.02%に下げている。

長期金利は前日に1.045%と2カ月ぶりの高水準に達したが、そ こでは買いが入り、過度な上昇懸念は出ていない。ドイツ証券の山下 周チーフ金利ストラテジストは、先行きについて「金利低下の見通し が立たない半面、持続的な上昇も見込めず、レンジ内でのもみ合いと なりそう」との見方を示している。

中期債や超長期債は総じて堅調。5年物の99回債利回りは一時2 bp低い0.36%まで低下。20年物の130回債利回りは一時1bp低い

1.77%、30年物の35回債利回りは2bp低い1.965%まで低下した。

10年債入札、テール1銭に縮小

財務省がこの日実施した10年利付国債(318回債)の入札結果に よると、最低落札価格は99円76銭となり、事前予想を1銭上回った。 小さければ好調とされるテール(最低と平均価格との差)は1銭とな り、前回の2銭から縮小。応札倍率は3.26倍と前回(3.15倍)から 上昇し、4月以来の高水準となった。

ドイツ証の山下氏は、10年債入札結果について、「相場の見通し が不透明な中でも順調だった」との見方を示した。SMBC日興証の 山田氏は「表面利率は1.0%で決まったが、先物に対して割安感があ るため、問題なく消化されると思う。318回債の方がショートカバー (売り建ての買い戻し)需要もあるので、入札にはポジティブではな いか」とみていた。

東京先物市場で中心限月12月物は4営業日ぶりに反発。前日比 34銭高の142円40銭で始まり、直後に3日ぶり高値の142円43銭を 付けた。午後に入ると16銭高まで上げ幅を縮めたが、結局は25銭高 の142円31銭で引けた。マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋 村哲金利統括グループ長は「先物12月限は142円50銭近辺では戻り 売りが出るのではないか」と説明している。

SMBC日興証券の山田聡チーフクオンツアナリストは「きのう の米国市場で金利が大幅に低下したことを受けて、金利低下で始まっ た」と話した。31日の米国債相場は大幅高。米金融大手が経営破綻し たことなどを受けて欧州債務問題に対する警戒感が強まり、米国株相 場が急落し、米国債が買われた。米10年債利回りは前週末比20bp低 い2.11%程度。S&P500種株価指数は同2.5%安の1253.30。

米ブローカー・ディーラーの持ち株会社、MFグローバル・ホー ルディングスは31日、日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条 の適用を申請した。欧州ソブリン債への投資が裏目に出た。

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