日銀10月議事要旨:円高がより広範な影響もたらす可能性に要注意(1

日本銀行は1日午前、10月6、7 日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。それによると、 何人かの委員は「これまでの円高が輸出や企業収益の悪化をもたらす だけでなく、企業や家計のマインド悪化を通じて、より広範な影響を もたらす可能性に注意が必要である」と指摘した。

日銀は同日の決定会合で、政策金利は0-0.1%に維持。資産買い 入れ等基金は、金融資産買い入れが「15兆円」、固定金利方式の共通担 保オペが「35兆円」の計「50兆円」に据え置いた。日銀は10月27日 の金融政策決定会合で、資産買い入れ等基金を「50兆円」から「55兆 円」に拡大することを8対1の賛成多数で決定した。

政府・日銀は10月31日、外国為替市場で円売り・ドル買い介入 を実施した。同日早朝の海外市場で一時75円35銭まで円高が進み、 戦後最高値を更新した。介入を受けて円は対ドルで75円50銭付近か ら一時79円50銭まで4円ほど急落した。1日午前9時現在、78円台 前半で推移している。

10月6、7日の会合で、委員は「海外情勢をめぐる不確実性や、 それらに端を発する為替・金融資本市場の変動が、わが国経済に与え る影響に、引き続き最も注意が必要である」との見方で一致。多くの 委員は「欧州のソブリン・リスク問題が世界経済全体を下押しする中 で、輸出が下振れるリスクが高まっている」との認識を示した。

産業空洞化

1人の委員は「円高の定着が一因となって、基幹工場や研究開発 拠点の海外シフトが加速するようなことがあれば、産業空洞化をもた らすとともに、わが国の成長期待が低下する恐れがある」と述べた。

金融政策運営については、何人かの委員は「今後、必要に応じて 適切な措置を講じていくことが重要である」との見解を示した。この うちの1人の委員は「事態の展開によっては、先行きさらなる金融緩 和が必要となる可能性もあるとの認識は、前回会合から変わっていな い」と付け加えた。

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