10月31日の米国マーケットサマリー:円は3年ぶりの大幅下落

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3842 1.4147 ドル/円 78.18 75.82 ユーロ/円 108.22 107.28

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,955.01 -276.10 -2.3% S&P500種 1,253.30 -31.79 -2.5% ナスダック総合指数 2,684.41 -52.74 -1.9%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .25% -.04 米国債10年物 2.13% -.19 米国債30年物 3.14% -.24

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,725.20 -22.00 -1.26% 原油先物 (ドル/バレル) 92.59 -.73 -.78%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで2008年以来の大 幅下落。円が戦後最高値を更新し輸出企業の業績悪化が懸念される中、 日本当局は日本時間31日の外国為替市場で今年3度目となる円売り 介入に踏み切った。

ドルは主要取引通貨の全てに対して上昇。米先物ブローカーのM Fグローバル・ホールディングスが欧州ソブリン債投資の影響で破産 法適用の申請に至ったことを受け、株式相場が下落。逃避需要が高ま りドルが買われた。安住淳財務相の指示による円売り介入を受け、円 は主要取引通貨の全てに対して下落した。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジー世界責任者、アラン・ラス キン氏(ニューヨーク在勤)は、「介入規模が極めて大規模なのは間 違いない」と指摘しつつも、「その効果は徐々に薄れてきている。1 日限りの騒ぎに終わるのだろうか」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時39分現在、円は対ドルで前週末比

2.9%安の1ドル=78円05銭。日本時間では一時、75円35銭と 戦後最高値を更新した。10月に入りこれまでで円は1.3%下落して いる。この日はユーロに対して前週末比1.3%下げて1ユーロ=108 円67銭となっている。オーストラリア・ドルに対しては1.8%安の 1豪ドル=82円62銭。ユーロは対ドルで1.6%下落して1ユーロ =1.3925ドル。月初来の上昇率は4%に縮小した。スイス・フラン はユーロに対し0.4%上げて1ユーロ=1.2166フラン。

円は介入を受けて下げ、一時は4%を超える下落率となった。日 中取引ベースでは6.1%安を記録した2008年10月28日以来、最 大の下落となった。日銀はその3日後に政策金利を引き下げた。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。欧州ソブリン債危機の封じ込めに向けた資金 の調達は順調にはいかないとの懸念が広がった。S&P500種株価指 数は、月間ベースでは1991年以来の大幅高となった。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前週末比2.5%安の1253.16。

レイモンド・ジェームズ・アソシエーツのチーフ投資ストラテ ジスト、ジェフリー・ソー氏は電話インタビューで、「強い買いの勢い が続いていた」とした上で、「いつ調整に入ってもおかしくはなかっ た」と指摘。「欧州は救済策で合意し時間を稼いだが、解決には程遠 い。まだ危機は脱していない」と続けた。

欧州各国は先週、救済基金である欧州金融安定ファシリティー(E FSF)の実質拡大で合意。また米国では経済成長の加速が示された。 こうしたことを背景に米国株は上昇していた。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。30年債利回りはほぼ1カ月ぶりの大幅な低下 となった。日本政府・日銀が円高に歯止めをかけるため円売り・ドル 買い介入を実施したことが買いを 誘った。欧州がソブリン債危機を抑制できないとの懸念からイタリア とスペインの国債が下げたことも買い材料。

米ブローカー・ディーラーの持ち株会社、MFグローバル・ホー ルディングスの米連邦破産法11条の適用申請を背景に10年債は続 伸した。同社は欧州ソブリン債への投資が裏目に出た。10年債利回り は過去2営業日で20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低 下している。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャス ティン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「リスク解除の取引だ」 と指摘。「欧州の見通しが暗くなったことに加え、日本の介入発表で 上昇が始まった。市場は欧州の情勢に満足しておらず、欧州に圧力が かかっている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後2時31分現在、30年債利回りは前営業日比15bp低下の

3.22%。一時は17bp低下し、米金融当局が短期債を売って期間が 長めの国債を同額購入する「オペレーション・ツイスト(ツイストオ ペ)」を開始した10月3日以降で最大の下げとなった。同年債(表 面利率3.75%、2041年8月償還)価格は3 1/32上げて 110 1/32。

10年債利回りは12bp低下の2.19%。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は下落。約1週間ぶりの大幅安となった。 ドルが急上昇したことで、代替投資先としての金の需要が後退した。

日本政府が円売り・ドル買い介入に踏み切ったことから、ドルは 主要6通貨のバスケットに対して約1カ月ぶりの大幅高となった。金 は先週6.8%高と、2009年1月以来最大の上昇を記録。月間では

6.3%値上がりした。

TEAMファイナンシャル・マネジメント(ペンシルベニア州ハ リスバーグ)のジェームズ・デーリー氏は電話インタビューで、「日 本政府による円売り介入のニュースを受けて、『まず行動してから、後 で考える』という動きが広がっている」と指摘。「ドルの上昇は、金の 利益を確定する絶好の口実になる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前営業日比1.3%安の1オンス=1725.20ドルで終了。 中心限月としては20日以来の大幅下落となった。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は月間で2年5カ月ぶりの大幅高とな った。景気回復を背景にエネルギー需要が拡大し在庫が縮小するとの 観測が強まった。

第3四半期(7-9月)の米経済成長率はここ1年で最も高い伸 びを示したほか、原油在庫は14日終了週に20カ月ぶりの低水準に なった。この日の原油相場は下落。日本政府と日銀が外国為替市場で 円売り・ドル買い介入に踏み切ったことが手掛かりとなった。

CIBCワールド・マーケッツの商品ストラテジスト、キャサリ ン・スペクター氏は「先進国の在庫がそこそこ減少していることから、 需給ファンダメンタルズがかなり相場の支援になっているようだ」と 指摘。「需給バランスがひっ迫するには需要が徐々に拡大する必要が ある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 営業日比13セント(0.1%)安の1バレル=93.19ドルで終了した。 月間では18%高と、09年5月以来の大幅上昇となった。

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