パナソニック:「打って出た」テレビで最悪損失、円高で他社も厳しく

テレビの価格競争の波が、国内家 電最大手パナソニックにも及んだ。価格低下と円高のダブルパンチを 受けた抜本的なリストラ断行で、今期(2012年3月期)は過去最悪規 模の純損失4200億円を計上する。

荒療治の背景には大坪文雄社長が08年から展開してきた積極投資 がある。プラズマテレビ世界最大手だった同社は、液晶テレビの需要 増を見込んで兵庫県姫路市のパネル新工場建設を発表。同年の経営方 針のスローガンは「打って出る!」だったが、中国勢などの安値攻勢 による価格下落などから、逆に苦境に陥ってしまった。

液晶パネルで他社に出遅れたソニーも04年に韓国サムスン電子と 設立した合弁会社からパネルを調達。08年2月には需要拡大を見越し、 シャープが当時建設中だった堺の新工場からもパネルを調達する目的 で、同工場運営会社に34%出資すると発表した。しかし、08年秋のリ ーマンショックで状況は一転し、全額の拠出は先延ばししたままだ。

これら3社の前期(11年3月期)のテレビ事業の採算は、パナソ ニックが3年連続、ソニーは7年連続で赤字。シャープは3年ぶりに 黒字に戻した状態だ。

世界単位でも需要は鈍化してきている。ディスプレイサーチは11 日に、欧米などでの景況懸念で今年の世界の液晶テレビ出荷予測を従 来比500万台減らして2億600万台とした。前年実績は1億9200万台。

地デジの恩恵も去り

国内依存度の高いシャープやパナソニックなどにとって、今年7 月の地上波のデジタル化を控えた駆け込み需要が下支え要因ではあっ た。しかし、市場調査会社BCNの道越一郎アナリストは9月の量販 店での薄型テレビ販売台数は「前年同月の半分以下」と説明。販売額 は「前年の4割程度」まで低下しているという。

シャープはテレビ向けパネルを60型以上の大画面に集中して採算 を確保する戦略に転換。8月に構造改革の策定を表明したソニーにつ いては、サムスンとの合弁解消の検討に入ったと30日付の日本経済新 聞朝刊が報じた。

これほかにも、日立製作所が8月にテレビの自社生産撤退検討を 表明。東芝の久保誠代表執行役専務も31日の決算発表で、4-9月の テレビ事業が100億円強の赤字に転落したことを明らかにしている。

--取材協力 藤村奈央子 Editor: Tetsuki Murotani

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Ichiro Michikoshi

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