パナソニック:今期純損、過去最悪4200億円に-TVリストラで(3)

パナソニックは31日の決算発表 で、今期(2012年3月期)純損益予想を4200億円の赤字へと大幅下方 修正した。赤字予想幅は過去最悪のレベル。採算悪化に悩むテレビ関連 でのリストラに踏み込み、半導体工場も含めた各生産拠点で減損処理や 人員削減を実施するためだ。

パナソニックはパネルや半導体まで製造する「垂直統合型モデル」 を展開。薄型テレビの中では自前で発光し大型画面に適したプラズマテ レビの世界的大手だったが、大坪文雄社長は08年に液晶テレビにも軸 足を置くとして工場新設を発表。しかし、08年秋のリーマンショック 以降、事業が赤字に転落していた。

今回は価格低下と円高のダブルパンチを受け戦略転換する。部品か ら一貫生産してきただけにテレビ事業縮小による損失は、その分重い。 修正後の純損失予想は、ブルームバーグ・データによるアナリスト18 人の事前予想平均588億円の7倍強。従来予想の300億円の黒字から急 降下し、世界的なIT(情報技術)不況を受けて同社初の大規模人員減 に踏み切った02年3月期の赤字4278億円に並ぶ。

当時の中村邦夫社長(現会長)は大量出血で収益体質を変えた。翌 年度に赤字を194億円まで急減させて「V字回復」を達成。その後はリ ーマンショックで再び赤字に沈むまで黒字体質を定着させた。06年に バトンを引き継ぎ、三洋電機とパナソニック電工の完全子会社化を進め た大坪社長はこの再現を目指す形だ。

同社長は31日の会見では荒療治で、来期には「テレビと半導体の 黒字化を目指す」と強調。具体的な人員削減の数には触れなかったもの の、グループ人員を35万人以下にする目標を1年前倒しして、来年3 月末までとすると語った。今年3月末時点では36万6937人。

「V字回復」狙い

野村証券の御子柴史郎アナリストは、今期純損失予想の4200億円 について「来期のV字回復を狙っている印象を受けた。準備期間として 容認すべきだ」とコメント。テレビのリストラに関しては「イノベーシ ョンが見えてポジティブだ」と述べた。その上で「日本の電機産業の中 では対応が速く、好感が持てる」とした。

一方、りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは「悪 材料出尽くしの状態ではない。三洋電機などの吸収とテレビ事業という 2つの改革を行っており、パナソニックは苦しい環境下にある」と指摘 している。

営業利益予想も従来の半分弱である1300億円までカット。売上高 予想は4000億円減額して8兆3000億円とした。競争激化と円高が響 き、固定費削減では売上高と本業の利益の落ち込みをカバーできない。 通期の想定為替レートも1ドル=78円と、従来比で5円ほど円高方向 に修正し た。対ユーロは1ユーロ=110円で据え置いた。

米調査会社ディスプレイサーチによると、05 年に13%だった同社 の薄型テレビの世界販売額シェアは、11年上半期に8%まで低下して いた。東証で会見した上野山実常務は、今期のテレビ販売計画を600万 台減らして1900万台としたことを明らかにした。

--取材協力 沢和世

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