セシウム137海洋流出2万7000テラベクレル、東電公表の20倍-仏調査

東京電力・福島第一原子力発電 所の事故に伴って海洋に放出されたセシウム137の総量が、東電が公表 した20倍に達するという研究調査をフランス放射線防護原子力安全研 究所が発表した。

セシウム137の大気への放出量についても政府発表の2倍以上に達 する可能性がある、とのノルウェーの研究機関の調査結果が「アトモス フェッリクス・ケミストリー・アンド・フィジックス・ジャーナル」誌 に発表されており、政府・東電の推計値を上回る調査結果が欧州で相次 いで発表されている。

仏放射線防護原子力安全研の研究調査によると、海洋に放出され たセシウム137は2万7000テラベクレル(テラは1兆)。

東電の広報担当、元宿始氏は、報道を通じて「調査結果は承知して いる」と述べた上で、試算の妥当性についてはコメントを控えた。

セシウム137は半減期が30年であるため、健康被害が懸念されて いる。1ベクレルは1秒間に原子核が崩壊して放射線を放つ量で、人の 細胞やDNAを傷つける恐れがある。世界原子力協会によると、放射能 に長時間被ばくすると白血病やがんが発症する可能性がある。

大気に放出されたセシウム137については、経済産業省原子力・安 全保安院が6月に放出量は1万5000テラベクレルと発表していたが、 ノルウェー大気研究所は3万5800テラベクレルと試算した。これは 1986年に起きた史上最大のチェルノブイリ原発事故時の放出量の約 42%に相当する。