政府・日銀が為替介入、欧州危機回避後も円急伸-財務相緊急会見

政府と日本銀行は31日、外国為 替市場で円売り・ドル買い介入を実施した。円相場は上昇に歯止めが 掛からず、同日早朝の海外市場でも戦後最高値を更新。急激な円高は 日本経済を主導する輸出企業を直撃、東日本大震災からの回復途上に ある景気に悪影響を及ぼしかねないと判断し、今年3度目となる介入 に踏み切った。

為替介入は安住淳財務相が同日午前、財務省内で緊急会見して発 表した。同相は円相場が「わが国の実体経済を何ら反映せず、一方的 に投機的動きが続いていた」とし、介入は「総合的に勘案してきょう 決断した」と述べた。その上で、「納得のいくまで介入する」との方 針を強調した。介入は単独で、10時25分に実施したという。介入額 は明言を避けた。主要各国への事前連絡に関しては「事務レベルも含 めて頻繁に連絡を取り合っている」と述べるにとどめた。

介入を受けて、円は対ドルで1ドル=75円50銭付近から一時、 79円50銭まで4円ほど急落。12時34分現在は79円20銭近辺を推移 している。対ユーロでも一時1ユーロ=111円台まで円が急落した。 31日早朝の海外市場では、一時75円35銭まで円高が進み、戦後最高 値を更新した。政府関係者は「オーストラリアの薄いマーケットで急 激に動いたのは投機的な動きだ」と指摘、介入の決断を後押したと説 明した。

財務相はこれまでにも「あらゆる措置を排除せず、必要あれば断 固たる措置を取るよう事務方に指示している」と繰り返し口先介入を 続け、為替介入の実施に向けて「臨戦態勢」であることをアピール。 26日の国会答弁では「1ドル=76-77円台は決して日本にとって適正 なレートではない」と踏み込み、実体経済を反映していない為替相場 に懸念を示していた。

欧州合意後も円高止まらず

円相場はギリシャを発端にした欧州の財政・金融問題や世界的な 景気減速懸念などを背景に、21日以降、戦後最高値が続いた。27日に 欧州連合(EU)首脳会議(サミット)でユーロ域内の債務危機封じ 込めに向けた包括策で合意した後も円高基調が定着。日銀が同日資産 買い入れ等基金の増額を決定した後にやや円安に触れたものの、下値 は限定的だった。

政府・日銀は大震災直後の3月18日に主要7カ国(G7)による 協調介入を11年ぶりに実施。8月4日には米国の債務問題を背景に市 場でドル売り・円高が急激に進んだことから、過去最大となる4.5兆 円規模の単独介入に踏み切り、日銀もこれに呼応する形で国債や社債 などの金融資産買い入れ額を15兆円に拡大する追加緩和を決定し、共 同歩調をとった。

--取材協力:持田譲二、小宮弘子    Editor:Norihiko Kosaka, Kenzo Taniai

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