米国:債券の過去30年間のリターン、株式上回る-1861年以来初

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【記者:Cordell Eddings】

10月31日(ブルームバーグ):過去30年間の米国債リターンが、 南北戦争が始まった1861年以来初めて株式を上回った。債券はこの約 10年間で最高のパフォーマンスを記録する勢いを見せている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 今年に入ってからの債券投資のリターンは先週時点で6.25%と、S& P500種株価指数の2.18%の約3倍。このままいけば今年の債券リタ ーンは7.63%と、2002年以来最高となる見通しだ。過去30年間の長 期国債のリターンは年平均11.5%と、S&P500種(10.8%)を上回 っていると、ビアンコ・リサーチのジム・ビアンコ社長は指摘した。

今年の債券パフォーマンスが好調な背景には、米消費者物価指数 (CPI)のコア指数が今年平均1.5%となっていることに加え、米 連邦準備制度理事会(FRB)が少なくとも13年半ばまで政策金利を ゼロ付近に維持すると決めたこと、成長鈍化、貯蓄率が世界的な信用 危機以来最高となっていることが背景にある。有望な長期投資先とし ての支配的な地位を債券が株式から奪っただけではなく、ビル・グロ ース氏やメレディス・ホイットニー氏、ナシーム・タレブ氏らの見方 が誤っていたことが証明された。

ビアンコ氏は26日の電話インタビューで、ここ四半世紀余りの 「債券パフォーマンスが株式を上回ったことによって、誰もが描いて いた最大の投資テーマが明らかに間違っていたことが判明した」と指 摘。「こうした低利回りの状況では株式が選好されるとの考え方が浸透 していたため、その通りになっていない事実を誰も気に留めず、異議 を唱えることを望まなかった」と語った。

リーマンショックの影響

08年9月の米リーマン・ブラザーズ・ホールディングス破綻を受 けて安全性を重視する投資家が債券需要を押し上げ、企業の成長に伴 う株価上昇から最大のリターンが得られるはずだとの考え方が覆され た。

ペンシルベニア大学ウォートン校のジェレミー・シーゲル教授(金 融学)によると、株式の30年間ごとのパフォーマンスは1861年から これまで債券を上回っていた。

メリルリンチの指数によると、米国債の年初来のリターンは

7.23%となっている。地方債は8.17%、社債は6.24%、住宅ローン関 連証券は5.11%。

米国債手放す

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) の共同最高投資責任者(CIO)であるグロース氏は、債券に資金が 向かうとは予想していなかった。同氏の「トータル・リターン・ファ ンド」は、相場が上昇する前の2月に米国債を手放していた。ブルー ムバーグのデータによると、同ファンドは年初来のリターンが2.55% にとどまっている。

著名銀行アナリストのホイットニー氏は昨年12月、「数千億ドル」 規模の地方債デフォルト(債務不履行)を予想したが、実際にはそう なっていない。ベストセラーになったビジネス書「ブラック・スワン」 の著者であるタレブ氏は2月3日にモスクワでの会議で、投資家がま ず回避すべきなのは米国債だと述べていた。

シーゲル教授は25日の電話インタビューで、9月末までの30年 間の債券リターンは約一世紀ぶりに株式を上回ったと指摘した。前回 記録したのは南北戦争が始まった1861年だという。

同教授は「こうした債券の上昇は千年に一度の出来事だ」とした 上で、株式のリターンが過去の実績を繰り返すことがあり得るのに対 し、「債券が今後、このようなリターンを記録することは数学的には絶 対にあり得ない。今回の債券相場上昇を見逃したとすれば、それはそ れまでだ」と語った。

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