日本株3日ぶり反落、海運など業績低調銘柄売り-為替介入効果短命

東京株式相場は3営業日ぶりに反 落。ばら積み船運賃指標の下落や業績予想の下方修正が嫌気され、商 船三井や日本郵船など海運株が安い。先週上げの目立った保険や証券 など金融株の一角も弱く、決算発表が本格化する中、業績悪化銘柄へ の売り圧力は強く、東証1部の下落率上位に荏原や東北電力、日本ガ イシなどが並んだ。

一方、午前の為替市場で政府・日本銀行による円売り介入が実施 され、円安方向への動きが加速。トヨタ自動車やキヤノンなど輸出関 連株の一部はプラスに転じたが、上値は重く、業種別でも電機、機械 などは結局安く終わっており、介入の株価押し上げ効果は短命だった。

TOPIXの終値は前週末比7.37ポイント(1%)安の764.06、 日経平均株価は同62円8銭(0.7%)安の8988円39銭。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、国内機関投資 が様子見姿勢にある中、「週初ということもあり、相場の方向性を左右 する海外投資家の動きも鈍い」と指摘。為替介入により、急速に円安 方向に動いたにもかかわらず、輸出関連中心に買いの勢いが弱かった のは、海外勢不在といった「需給面の要因が大きい」と見ていた。

この日の日本株は、午前中ごろすぎまで日経平均、TOPIXと も小安く推移していたが、10時30分前に為替市場で円相場が急落す ると、日経平均は上昇転換。一時101円高の9152円と8月16日以来、 約2カ月半ぶりに9100円台に乗せる場面があった。円は対ドルで、1 ドル=75円50銭付近から79円台半ばまで急落。対ユーロでは、1ユ ーロ=111円台まで売られた。政府と日本銀行は外国為替市場でこの 日、円売り・ドル買い介入を実施したと安住淳財務相が財務省内での 緊急会見で発表した。

指数安値引け

もっとも、その後日本株への買いは続かず、午後にかけじりじり と値を切り下げる展開。取引終了間際に一段安となり、結局TOPI X、日経平均ともにきょうの安値引けとなった。

ばら積み船の国際運賃市況であるバルチック海運指数が28日に

3.5%安と約1カ月半ぶりの下落率を記録した影響から、海運株が下落。 商船三井が31日、コンテナ船需要の減少や円高、船舶燃料油価格の高 止まりなどを理由に、2012年3月期の連結純損益予想を従来の170億 円の黒字から40億円の赤字に下方修正。郵船も、円高やタイ洪水の影 響による完成車輸送台数の減少などを踏まえ、12年3月期純損益計画 を50億円の黒字から180億円の赤字に見直し、これらも嫌気された。

一方、先週の日経平均は前の週末に比べ4.3%高と、週間上昇率 は米国で金融の量的緩和第2弾(QE2)実施が決まった昨年11月1 週(4.6%)以来、約1年ぶりの大きさとなった。こうした中、東証1 部業種別33指数では、上昇率トップが保険の11%高、証券・商品先物 取引は8%高で4位だった。きょうは保険株が下落率1位、証券・商品 先物も値下がり率3位に入り、SMBC日興証券・国際市場分析部の 西尾浩一郎次長によれば、先週買われた業種、銘柄に「反動売りが出 た」と言う。

シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米S&P500 種株価指数先物は、基準価格比10ポイント以上下げており、日本時間 今夜の米国株安への懸念も日本株の上値を抑えた。

決算内容で個別選別

一方、国内企業の決算発表がきょうピークを迎える中、SMBC 日興証の西尾氏は、「投資家の関心は決算、業績に移りつつある」と話 した。業績関連では、コニカミノルタホールディングスが急騰。同社 は、円高による収益目減りなどを想定し、12年3月期の連結営業利益 予想を従来比4.8%減額、前期比ほぼ横ばいの400億円に見直したが、 野村証券の和田木哲哉シニアアナリストは、「事務機メーカーでは相対 的に堅調な業績を確認」と28日付リポートで指摘した。北米事業拡大 の寄与などで通期業績予想を増額、増配するサンリオは反発した。

半面、ナトリウム硫黄(NAS)電池の火災事故対応や安全対策 で見積もり困難な費用が発生する可能性があるとし、従来は230億円 だった12年3月期の連結純利益予想を未定に変更した日本ガイシが 急落。円高による為替差損や構造改革費用の計上により、12年3月期 の連結純利益予想を従来の220億円から前期比49%の100億円に下方 修正したリコーも安い。上期は大幅最終損失と無配転落になった東北 電力は約4カ月半ぶり安値。

大和投信の長野氏によると、通期業績予想は「これまでのところ、 企業数では上方修正が多い一方、金額ベースでは下方修正が優勢とな っている」という。内容がまちまちのため、「個別物色にとどまり、相 場全般に方向を与える力は弱い」と同氏は話していた。

東証1部の売買高は概算で17億7912万株、売買代金は1兆1752 億円。値下がり銘柄数が956、値上がりは560。東証1部33業種で下 落したのは保険、海運、証券・商品先物取引、石油・石炭製品、鉱業、 鉄鋼、不動産、精密機器など26業種だった。上昇はその他製品、輸送 用機器、水産・農林、陸運など6業種、空運は変わらず。国内新興市 場は、ジャスダック指数が前週末比0.7%高の48.65、東証マザーズ指 数は同0.01%安の413.05とともに小動きだった。