NY外為(28日):ユーロ下落、イタリア入札不調で-円は上昇

28日のニューヨーク外国為 替市場ではユーロがドルと円に対して下落。イタリアの入札が不調に 終わり、同国の借り入れコストが上昇したことを受けて、欧州首脳ら の域内ソブリン債危機への対応は不十分との懸念が広がった。

ユーロは前日に対ドルで約1年ぶりの大幅高を記録した。欧州 首脳が発表したギリシャ救済策や金融機関の資本増強策が好感された。 この日のブラジル・レアルは主要通貨の中で対ドルでの上げが最も大 きかった。中銀によるドル売りが影響した。円は対ドルで戦後最高値 に迫り、財務省・日銀による為替介入観測が強まった。

ABNアムロ銀行のアジア為替戦略責任者、シャハブ・ジャリ ヌース氏(シンガポール在勤)は、「どんなに最善の状況でも、前日 のようなユーロの上げを維持するのは難しい」と述べ、「発表された 一連の対策は、根本的な問題に効果的に対応するかどうかを見極める 必要がある」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対円で0.5%下げて 1ユーロ=107円28銭。前日は9月8日以来の高水準となる108 円14銭まで上昇した。週間ベースでは1.2%上昇した。ユーロは対 ドルでは0.3%下げて1ユーロ=1.4147ドル。一時は0.4%安まで 下げた。前日は1.4247ドルと、9月6日以来の高値を付けた。円 は対ドルで0.2%上昇して1ドル=75円82銭。前日は75円66銭 と、戦後最高値を更新した。

過去6カ月で円は11%上昇

ブルームバーグ相関加重指数によると、主要10通貨のうち過 去6カ月間で最も上昇したのは円で、上昇率は11%だった。円高の 影響を受けて任天堂は今期(2012年3月期)通年について、1981 年の連結決算公表以来で初の赤字になる見込みだと発表した。安住淳 財務相は、必要なら「断固たる」措置を取ると述べた。

ブラジル・レアルは対ドルで7週ぶり高値。同国中銀は通貨ス ワップを売却した。通貨スワップの売却は9月以降で今回が4度目。 ブラジルではそれまで2年4カ月にわたって続けてきたレアル高抑制 の方針を反転させた。

オーストラリア・ドルはこの日、対ドルで0.3%安。前日は 2010年5月以来で最大の上げとなる3.2%高まで買い進まれた。

対米ドルでの豪ドルの相対力指数(RSI、7営業日ベース) は76.14。70を上回ると上昇ペースが速過ぎ、下落に転じる可能性 を示唆する。

前日は欧州首脳が欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の 実質的な融資能力拡大やギリシャ債務の50%の損失負担を発表した ことに反応し、ユーロは対ドルで2%値上がりした。

フィッチの発表文

格付け会社フィッチ・レーティングスは28日、発表文で、 「提案されている債務交換での50%の名目ヘアカットを、フィッチ は『ディストレスト・デット・エクスチェンジ』基準の下のデフォル トイベントだと見なすだろう」としていると述べ、この同意は「ギリ シャ国家財政をより維持可能な基盤の上に立たせるために必要な措置」 であると続けた。

スタンダードチャータード銀行の米州調査責任者、デービッ ド・マン氏は「多くの人が明らかにギリシャには選択的デフォルトの 要素があると認識しているが、フィッチがそれを文書で発表したのは 興味深い」と述べ、「投資家はこの類の上昇が長続きするとは考えて いない。この水準ならユーロは売りだ。相場が1ユーロ=1.4250ド ル付近に上振れすればなおさらだ」と続けた。マン氏はボラティリテ ィーを回避するためにオプションの利用を助言している。

イタリア政府は28日に償還期限の異なる4種類の国債入札を 実施し、計79億3000万ユーロ相当を発行した。この日の入札の目 標最大額は85億ユーロだった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数はほぼ変わらずの75.085。週間では1.6%下げた。

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