米国株(28日):変わらず、欧州合意での上昇は行き過ぎと警戒

米株式相場はほぼ変わらず。銘 柄別では大半が前日比でマイナスとなった。10月の米消費者マイン ド指数が予想を上回ったものの、欧州の危機対策合意を受けた前日の 上昇は行き過ぎとの不安から上値の重い展開が続いた。

相場はこの日、取引終了間際にそれまでの下げを取り戻した。S &P500種株価指数は週間ベースで4週連続高と、1月以来最長の上 昇局面になった。白物家電メーカー最大手、ワールプールは大幅安。 5000人余りの人員削減や売り上げ目標の引き下げを発表したことが 嫌気された。パソコン(PC)メーカー最大手、ヒューレット・パッ カード(HP)は上昇。PC部門の分離計画を撤回したことが手掛か り。

ニューヨーク時間午後4時現在の騰落比率は3対4。S&P500 種株価指数の上昇幅は前日比ほぼ変わらずの1285.09。前日は

3.4%の大幅高を記録した。ダウ工業株30種平均は22.56ドル (0.2%)高の12231.11ドル。小型株で構成するラッセル2000指 数は0.6%安。

スタイフェル・ニコラスの市場ストラテジスト、ケビン・キャロ ン氏は電話インタビューで、「前日の上昇は相当激しかった。欧州情勢 はやや不確実性が弱まった。しかしまだ詳細を詰めなければならない ことが多く残されている」と指摘した。

米貯蓄率は低下

10月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指 数は予想に反して前月比で上昇した。消費者マインド指数は60.9と、 前月の59.4から小幅上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値は58だった。速報値は57.5。

一方で米商務省が発表した9月の個人消費支出(PCE)は前月 比で伸びが加速したものの、所得が伸び悩んでおり貯蓄率はほぼ4年 ぶりの低水準に落ち込んだ。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、ピーター・ブックバー氏 は顧客向けリポートで、「金融当局、政府とも消費者に対して借り入れ と支出を促しているが、健全な経済成長と投資の原動力となるのは貯 蓄だ。その貯蓄率の低下は好ましいことではない」と解説した。

HP株上昇

ワールプールは14%安の51.80ドル。決算と同時に発表された 家電製造能力600万台分の削減を柱とする合理化計画は5億ドル(約 380億円)の経費が発生する。このうち1億6000万ドルは2011年 に計上される。この結果、今年通期の利益見通しは1株当たり4.75 -5.25ドルと、従来予想の7.25-8.25ドルから下方修正された。

米ケーブルテレビ(CATV)5位のケーブルビジョン・システ ムズは13%安の15.14ドル。65%減益となった決算が嫌気された。

HPは3.5%高の27.94ドル。ダウ平均構成銘柄中で最も上げ が大きかった。メグ・ホイットマン最高経営責任者(CEO)は、P C部門のスピンオフ(分離・独立)計画を撤回。市場はこの決断を好 感した。PC部門のスピンオフは、レオ・アポテカー前CEOが事業 の全面的な見直しの一環として8月に提案した。一方、この発表を受 けて、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、HP の信用格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。