10月28日の米国マーケットサマリー:国債が反発、リスク志向後退

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.4157 1.4189 ドル/円 75.77 75.95 ユーロ/円 107.27 107.76

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 12,231.11 +22.56 +.2% S&P500種 1,285.08 +.49 +.0% ナスダック総合指数 2,737.15 -1.48 -.1%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .29% -.02 米国債10年物 2.31% -.09 米国債30年物 3.36% -.09

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,747.20 -.50 -.03% 原油先物 (ドル/バレル) 93.45 -.51 -.54%

◎外国為替市場

28日のニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルと円に対し て下落。イタリアの入札が不調に終わり、同国の借り入れコストが上 昇したことを受けて、欧州首脳らの域内ソブリン債危機への対応は不 十分との懸念が広がった。

ユーロは前日に対ドルで約1年ぶりの大幅高を記録した。欧州 首脳が発表したギリシャ救済策や金融機関の資本増強策が好感され た。この日のブラジル・レアルは主要通貨の中で対ドルでの上げが 最も大きかった。中銀によるドル売りが影響した。円は対ドルで戦 後最高値に迫り、財務省・日銀による為替介入観測が強まった。

ABNアムロ銀行のアジア為替戦略責任者、シャハブ・ジャリ ヌース氏(シンガポール在勤)は、「どれほど最善の状況でも、前 日のようなユーロの上げを維持するのは難しい」と述べ、「発表さ れた一連の対策は、根本的な問題に効果的に対応するかどうかを見 極める必要がある」と指摘した。

ニューヨーク時間午後3時53分現在、ユーロは対円で0.4% 下げて1ユーロ=107円29銭。前日は9月8日以来の高水準とな る108円14銭まで上昇した。週間ベースでは1.2%上昇した。ユ ーロは対ドルでは0.2%下げて1ユーロ=1.4161ドル。一時は

0.4%安まで下げた。前日は1.4247ドルと、9月6日以来の高値 を付けた。円は対ドルで0.3%上昇して1ドル=75円75銭。前日 は75円66銭と、戦後最高値を更新した。

◎米国株式市場

米株式相場はほぼ変わらず。銘柄別では大半が前日比でマイナス となった。10月の米消費者マインド指数が予想を上回ったものの、 欧州の危機対策合意を受けた前日の上昇は行き過ぎとの不安から上値 の重い展開が続いた。

この日の騰落比率は3対4だった。ニューヨーク時間午後4時過 ぎの暫定値では、S&P500種株価指数の上昇幅は前日比ほぼ変わら ずの1285.08。前日は3.4%の大幅高を記録した。

◎米国債市場

米国債相場は3日ぶりに反発。欧州の債務危機を封じ込めるには 域内で一段の措置が必要になるとの懸念から、高リスク資産を選好す る動きが弱まった。

30年債はこのままいけば週間ベースで5週続落と、ここ2年余 りで最長の下落局面となる。10年債利回りは11週ぶり高水準から 低下。米国の景気は今月の米国債の下落を正当化できるほど速いペー スでは拡大していないとの観測が市場で広がっている。

格付け会社フィッチ・レーティングスはギリシャ債について、 50%ヘアカット(債務減免)の適用を目指す欧州首脳合意を投資家 が受け入れた場合、デフォルト(債務不履行)イベントとなるだろう との認識を示した。

シティグループの金利ストラテジスト、ブレット・ローズ氏は 「半年内にこの防火訓練のような騒ぎをもう一度やり直すことになり そうだ」とし、「危機を乗り切ったと言うには程遠い状況だ」と続け た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後2時5分現在、30年債利回りは前日比9ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.37%。週初からは10bp上昇 している。前日は24bp上昇と、8月11日以来の大幅な上げとな った。同年債(表面利率3.75%、2041年8月償還)価格はこの日、 1 3/4上げて107 6/32。

10年債利回りは8bp下げて2.31%。一時は2.42%まで上 昇し、8月9日以来の高水準となる場面もあった。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は一時5週間ぶりの高値を付けたものの、 その後ほぼ値を消した。欧州債務危機が世界の成長を妨げるとの懸念 が再燃したことで、商品需要の見通しが後退した。

イタリアが実施した3年債入札では、落札利回りがユーロ導入以 来の最高水準となった。商品24銘柄で構成するS&PのGSCI指 数は一時1.3%下落した。ドルが上昇したことも、代替資産として の金の需要減退につながった。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)の ヘッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「イ タリアに関する新たな不安で、金を含む商品全般が押し下げられてい る」と指摘。「利益確定の動きも一部にみられる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比ほぼ変わらずの1オンス=1747.20ドルで終了。 前日までは5営業日続伸していた。週間では6.8%上昇と、2009年 1月以来の大幅高。この日は一時1754ドルと、9月23日以来の高 値を付ける場面もあった。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は反落。日本の鉱工業生産が落ち込ん だことをきっかけに、利益を確定する動きが広がった。原油は週間で は2月以来の大幅高。

日本の9月の鉱工業生産指数(季節調整済み速報)は前月比で

4.0%低下した。ブルームバーグがまとめた予想中央値は2.1%低下 だった。原油は前日に4.2%値上がり。米経済がここ1年で最も高 い伸びを示したことや、欧州の首脳が債務危機封じ込めに向けた包括 策で合意したことが手掛かりとなった。

MFグローバルの市場担当シニアストラテジスト、リチャード・ イルチスジン氏(シカゴ在勤)は「日本の統計は原油価格を押し下げ る材料の1つになっている」と指摘。「商品は前日の上昇の反動で下 げている。今月の帳簿もそろそろ閉め時だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比64セント(0.68%)安の1バレル=93.32ドルで終了した。 週間では6.8%高と、2月25日終了週以来の大幅上昇。

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