「米国は日本病になるのか」、ドイツ銀ストラテジストがリポートで論戦

ドイツ銀行のストラテジスト、 アジェイ・カプール氏は米国が1990年代の日本の「失われた10年」 のような経済の停滞状態に陥りつつあるとみている。人口構成と金融 市場動向の類似が理由としている。

一方、同行の米国株担当チーフストラテジストのバンキム・チャ ドハ氏とロンドン在勤のエコノミスト、マイケル・ビッグス氏は成長 率と与信需要の違いを指摘して異を唱える。

カプール氏は日米両国の国債利回り低下、株式相場の不安定を類 似点として挙げる。また、日本では全人口に占める労働人口の割合が 1980年代にピークに達したことが資産バブルと高成長につながったと 指摘。米国ではそのような状態が2000年代の前半に訪れたという。 この割合は日本で1990年、米国では2005年にピークに達した。同氏 によれば、両国はともに今後何年も労働人口の減少に直面する。

一方、チャドハ氏は日米の成長率の格差を指摘。さらに、米国で はレバレッジ解消が「迅速に起こり」、日本のバブル破裂から「20年 後の今も日本より進んでいる」と論じた。米企業の収益にも回復が見 られると付け加えた。

ビッグス氏は、日米は「表面的に類似しているが基本的に違う」 とし、与信需要が日本では減少している一方、米国では拡大している ことを指摘した。「米国の出発点は1990年代の日本とは余りにも異 なる。従って、米国が失われた10年を経験する可能性は低いと思わ れる」と同氏は書いている。

ドイツ銀のストラテジストらは17日の公表された28ページのリ ポートでそれぞれの議論を展開した。