井川前会長を告訴へ、100億円借入-大王紙、井川取締役担当解任

「エリエール」ブランドでティッ シュペーパーなどを生産・販売している大王製紙は、子会社から107億 円を借り入れた問題で辞任した井川意高(もとたか)前会長を告訴す る。資金使途の解明には当局による捜査が不可欠と判断した。

業界3位の大王紙が28日、この問題を調べる特別委員会の報告を 踏まえた対応として東証で資料を発表した。最大84億円としていた元 会長の借入額は、子会社経由の迂回(うかい)分22億5000万円が新た に判明した。残高は現在59億円。大王紙は元会長に全額弁済を求める と同時に使途解明には社内調査では強制力がなく限界があるとしてい る。

国内上場企業では大王紙のほか、オリンパスで過去の買収で不透明 な高額報酬が支払われた問題が表面化、社長が10月に相次ぎ辞任し た。東京証券取引所はコーポレート・ガバナンス(企業統治)に絡んだ 問題などがあるとの投資家の声が寄せられていると声明を出した。その 中では「今後、事実関係が明らかになった段階で上場ルールや上場基準 に抵触する事実があれば、粛々と対応する」と強調している。

大王紙はこの問題での社内処分として、佐光正義社長の10月から の減俸5割を含めて取締役11人が3カ月にわたり5-1割減俸する。 経理・財務担当の魚田敏夫常務は辞任、特命・関連事業担当の井川高博 取締役は取締役会での辞任勧告を応諾しなかったため担当を解任され た。井川高雄氏は顧問を解嘱になった。

4-9月決算への影響については精査中とした上で、過去の有価証 券報告書や四半期報告書の内容訂正も必要かどうかを検討している。元 会長辞任などにより連結子会社が変わる可能性がある。また元会長への 貸付残高が回収できない場合に備えて貸し倒れ引当金を積む必要がある かどうかなども検討している。このため、11月4日を予定していた4- 9月決算の発表は、同14日に延期した。