日銀追加緩和も円高止められず、欧州支援求める声-連日の最高値更新

日本銀行は27日開いた金融政策 決定会合で追加的な金融緩和を決めた。海外経済の減速や円高に伴う 日本経済の下振れリスクに対応した措置だが、円相場は引き続き戦後 最高値圏で推移。円高の背景にある欧州の財政・金融問題解消が不可 欠だと指摘され、日本政府の支援参加を求める声が出ている。

日銀は27日、資産買い入れ等基金を「50兆円」から「55兆円」 に拡大することを8対1の賛成多数で決定した。日銀は会合後の声明 で国際金融資本市場や海外経済を受けた下振れリスクに注意が必要だ と表明。その上で「物価安定の下での持続的成長経路への移行をより 確かなものとするためには、金融緩和を一段と強化することが必要と 判断した」としている。

日銀の追加緩和は8月4日に政府の円売り介入に合わせて実施し て以来、約3カ月ぶり。欧州債務問題の深刻化や円高などから、国内 景気の先行き不透明感が高まっている。円相場は連日のように戦後最 高値を更新。日銀会合の結果を受け瞬間的に対ドルで小幅下落したも のの、すぐさま上昇に転じ、27日の海外市場で一時1ドル=75円66 銭の最高値を付けた。

ソシエテ・ジェネラル東京支店のチーフエコノミスト、大久保琢 史氏はこうした状況について、欧州の財務・金融問題の解決を支援す ることが日本の利益にもかなうと指摘する。

欧州安定化基金

欧州連合(EU)は26日から開いた首脳会議で、ギリシャ債の民 間投資家の損失負担を50%とすることで銀行側と妥結した。また、 4400億ユーロ(約46兆5000億円)の救済基金である欧州金融安定フ ァシリティー(EFSF)の実質拡大について、規模を最大5倍にす ることで合意した。

日本政府はユーロ圏の首脳らが合意した域内救済基金の拡大に協 力する方針で、欧州当局者からプログラムの詳細を伝えられるのを待 っていると、事情に詳しい関係者が述べた。

安住淳財務相は27日、欧州がギリシャ債務の損失負担で合意した ことについて、「大きな前進だ」と評価。その上で、「これから資本注 入が始まる。EFSF債の活用が非常に重要になる。欧州の安定化は 日本の国益に資するという観点に立って必要な措置を適宜取りたい」 と述べ、追加購入に含みを持たせた。

同相によると、今年1-6月まで発行されたEFSF債130億ユ ーロのうち、日本は27億ユーロ(約2900億円)を購入した。

一方、EFSFのクラウス・レグリング最高経営責任者(CEO) は、中国投資家の参加を募るため、28日に北京を訪問。AFP通信が アジア駐在のEU当局者の話として伝えたところによると、同CEO は東京も訪れる。

--取材協力:渡辺美慧、James G. Neuge、日高正裕、下土井京子, Ken McCallum,    Editor: Norihiko Kosaka, Hitoshi Sugimoto

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 伊藤亜輝 Aki Ito +81-3-3201-3423 aito16@bloomberg.net 東京 Andy Sharp +81-3-3201-6893 asharp5@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Paul Panckhurst +852-2977-6603   ppanckhurst@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE