ギリシャ減免はごり押し、CDSの信認脅かす恐れ-政治関与行き過ぎ

【記者:John Glover】

10月28日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)が合意した債務危 機の解決策によって、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS) 市場の信認が損なわれる恐れがある。

EUは27日、銀行が保有するギリシャ国債について50%の減免を 受け入れる合意が成立したと発表。国際スワップデリバティブ協会(I SDA)の法律顧問は、世界の銀行業界を代表する国際金融協会(I IF)との合意は自発的と考えられるため、CDSの売り手が買い手 への支払いを求められるクレジットイベント(信用事由)に該当しな いと述べた。ギリシャ国債のCDSの純取引残高は37億ドル(約2800 億円)相当に上る。

フィフス・サード・アセット・マネジメント(米オハイオ州シン シナティ)の課税債券担当責任者、デービッド・ウィスロー氏は電話 インタビューで、「ソブリン債市場や一部の巨大企業のCDSを今後は 避けることになるだろう。政治によるソブリン債ゲームへの関与は行 き過ぎだ。大き過ぎてつぶせない企業についてもその可能性がある」 と警戒感を示した。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセ ンブルク首相兼国庫相)によれば、ギリシャ国債を民間で最も多く保 有する銀行業界が完全なデフォルト(債務不履行)の脅しをちらつか せた要求に屈したことで、政治家や中央銀行当局者の土壇場の合意が 実現した。

ISDAの法律顧問を務めるデービッド・ジーン氏は、「多くのご り押し」があったとしても合意は自発的との見解を示す。しかし、そ のようなやり方は、保有する国債のリスクヘッジのためにCDSを利 用する銀行に他のリスク回避手段の検討を迫る恐れがある。クレデ ィ・アグリコルのストラテジスト、ハープリート・パーハー氏は「C DS契約の価値について非常に重大な疑念が生じるだろう」と警告し ている。

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