鉱工業生産は予想超の低下、復旧需要一巡で外需減が響く-9月の指標

9月の鉱工業生産指数は、事前予 想以上の落ち込みで、半年ぶりに前月の水準を下回った。東日本大震 災の復旧需要が一段落して、世界経済減速や円高が生産活動に悪影響 を与えた。

経済産業省が28日発表した9月の鉱工業生産指数(季節調整済み 速報)は前月比で4.0%低下、大震災以後の4月からの連続プラスが 途切れた。自動車に代表される輸送機械工業や半導体製造装置などの 一般機械工業をはじめ、全業種で生産活動が前月を下回った。ブルー ムバーグ調査の事前予想中央値は2.1%低下だった。

復興需要一巡から先行きを注視すべきだと前月に指摘した経産省 はこの日、「生産活動は横ばい傾向にある」と評価した。さらに日本企 業は今夏のタイの洪水の影響に見舞われ始めている。タイからの部品 調達懸念でトヨタ自動車は震災での減産を取り戻す国内工場での残業 を24日から停止、31日以後は稼働時間短縮の可能性も27日示した。

ゴールドマン・サックス調査部の馬場直彦チーフエコノミストは 鉱工業生産についてリポートで、欧米を中心とした外需減速や第3次 補正予算成立の遅れなどで「震災以降の急速な回復がいったん小休止 となった」と分析した。さらにタイの洪水の影響は今後要注意であり、 中長期的には「外需減速と円高による悪影響を復興予算がどこまで相 殺できるかが鍵だ」と指摘した。

製造工業生産予測調査によると、指数は10月に2.3%上昇、11 月は1.8%上昇が見込まれている。任天堂は27日、今期(2012年3月 期)連結純損益が200億円の損失になる見通しを発表した。1981年に 連結業績の公表を開始して以来、初の赤字になる見込みだ。対ユーロ を中心とする想定以上の円高進行や、ゲームソフト販売の低調が響く。

物価、雇用、消費

この日発表になった9月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品、 コアCPI)は前年同月比で0.2%上昇と事前予想中央値と同じだっ た。3カ月連続のプラスになる。先行指標とされる東京都区部(10月 中旬)は0.4%低下で、こちらも事前予想中央値と一致。10月以降の 全国コアCPIは、たばこや傷害保険料の押し上げ効果がはく落する ことで、上昇率の水準を切り下げるとみられている。

9月の完全失業率(季節調整済み)は4.1%と前月から0.2ポイ ント低下した。事前予想中央値は4.5%で予想に反して低下したこと になる。有効求人倍率(季節調整値)は0.67倍と予想通りで、前月を

0.1ポイント上回る改善となった。

9月の消費支出(2人以上の世帯)は、27万10円と実質で前年 同月比1.9%減少した。前年割れは7カ月連続になる。

--取材協力: 日高正裕、伊藤亜輝 Editor : Norhiki Kosaka, Takeshi Awaji

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