日経平均2カ月ぶり9000円回復、欧米懸念後退-輸出主導で売買増加

東京株式相場は続伸し、日経平均 株価が約2カ月ぶりに節目の9000円台を回復。欧州債務問題に対する 包括策への評価が継続したほか、国内総生産(GDP)の伸びが加速 した米国景気に対する期待感も加わり、投資家のリスク回避姿勢が後 退した。自動車など輸出関連中心に買われ、ソフトバンクが急騰した 影響で、情報・通信が東証1部33業種の上昇率首位。

TOPIXの終値は前日比8.64ポイント(1.1%)高の771.43、 日経平均株価は123円93銭(1.4%)高の9050円47銭。日経平均終 値の9000円乗せは9月1日以来。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、 「欧州債務懸念の後退で短期的には安心感があり、当面は底堅い状況 が続きそう」と指摘した。半面、日経平均の9000円回復で欧州に関す る好材料はある程度織り込んだとし、「来週は為替と米金融政策をにら んだ展開が予想される」とした。

欧州での合意を受けたきのうの欧米株式が急騰したことで、8月 以降の行き過ぎたリスク回避に一服感が広がった。27日の米S&P 500種株価指数やストックス欧州600指数は3%以上値上がりし、約 3カ月ぶりの高値水準を回復。S&P500の下落に備えたオプション のコストを示すVIX指数は、前日比15%低下し8月9日以来、約2 カ月半ぶりの下落率を記録した。

「9月にはリーマン・ショックのような危機が再び訪れるのでは ないかとの雰囲気があった」と振り返る大和証券投資情報部の高橋和 宏部長は、今回の欧州合意で「突発的なギリシャの破たんや銀行の連 鎖破たんは、少なくても年内は考える必要がなくなった」と見る。

米GDPが高い伸び、ソフバンク主導で通信上げる

また、きのう発表された米国の7-9月のGDP速報値は前期比 年率2.5%増と、ここ1年で最も高い伸びを示した。ブルームバーグ がまとめたエコノミストの予想中央値と一致。第2四半期は1.3%増 だった。項目別では、個人消費が2.4%増と予想値の1.9%増を上回っ た。前四半期は0.7%増。詳細は、最終需要が伸びる半面、在庫投資 が減っており、トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニ アストラテジストは「成長の形としては非常にいい」と言う。

欧州問題と米景気の2つの懸念が同時に和らぎ、きょうの日本株 は幅広い業種が上昇。業種別上昇率上位には輸送用機器や機械などの 輸出関連、鉄鋼など素材関連、保険や証券などの金融株が並んだ。特 に上げが目立った情報・通信は、きのうの好決算発表やUBS証券の 投資判断引き上げが好感されたソフトバンクがけん引役で、TOPI Xの浮動株比率見直しがきょう引け段階で反映される影響で、NTT も高い。半面、パルプ・紙、電気・ガス、ガラス・土石製品は安い。

売買代金は高水準、浮動株比率見直しも影響

日経平均は、投資家の中期的な採算ラインである75日移動平均線 (9040円)を8月2日以来、約3カ月ぶりに奪回。東証1部の売買代 金は概算で1兆4934億円まで膨らみ、株価指数先物・オプションの特 別清算値(SQ)算出日を除くと、8月10日以来、2カ月半ぶりの高 水準となった。売買代金の増加には、28日終値でTOPIXの浮動株 比率の見直しが反映されたことも一因だ。売買高は21億6380万株、 値上がり銘柄数は933、値下がりは602。

--取材協力:野原良明  Editor:Shintaro Inkyo

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