債券下落、長期金利は約2カ月ぶり高水準-株高や米債安受け売り優勢

債券相場は下落。長期金利は約2 カ月ぶりの水準に上昇した。欧州債務問題をめぐる懸念の緩和に加え、 米国実質国内総生産(GDP)の高成長を受けて株高・債券安となっ た米市場の地合いを引き継いで売りが優勢だった。

メリルリンチ日本証券の藤田昇悟チーフ債券ストラテジストは 「日米欧の政策支援は一応合格点。市場は素直に反応している。米株 は下げ幅をほぼ回復。米債はリスク回避が強かっただけに反動も大き い」と話した。一方、「去年同様に政策サポートでリスクオン(選好) の展開。これが続けば相場転換と言わざるを得ないが、欧州問題も不 透明感が残る。円債は極端な金利上昇にはならない」との見方も示した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、前日比2.5ベーシスポイント(bp)高い1.035%で開始。直後に

1.04%を付け、新発10年債として9月5日以来の高水準を記録。いっ たんは1.03%に戻したが、午後3時前から再び1.04%で推移している。

東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「昨日の日 銀の緩和強化決定後の反応を含め、外部環境は悪化。きょうの相場は 下落し、318回債利回りは1.03%を上回る可能性がある」と予想して いた。ただ、一段の上昇には懐疑的な見方を示し、「1.05%までには一 定の押し目買い需要があろう。調整も一時的」とみていた。

また、5年物の99回債利回りは2.5bp高の0.38%と19日以来の 水準。20年物の130回債利回りは約1カ月半ぶり水準の1.78%を付け、 30年物の35回債利回りは2.5bp高い1.975%に上昇した。

先物続落

東京先物市場で中心限月12月物は続落。前日比25銭安い142円 27銭で始まり、その後は142円20銭中心にもみ合いとなったが、午 後の取引終盤に142円11銭と18日以来の水準まで下落。結局は40 銭安の142円12銭とこの日の安値圏で引けた。

この日は先物の下げが大きかった。マスミューチュアル生命保険 運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は「日経平均株価が9000円台 に乗せたことで債券先物中心に売りが出た。リスクオンの動きとなっ ており、大きな流れが変わった感じ」と話した。日経平均株価の終値 は1.4%高の9050円47銭と、約2カ月ぶりに9000円台を回復。

SMBC日興証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、「米株 高や米10年債利回りが2.4%まで上昇したことの影響が大きく、円債 は売りが先行した。欧州債務危機対策合意を背景に、欧米市場の反応 を受けてリスクオンの動き。GDP統計を受けて米景気の二番底懸念 も後退している」と話した。

27日の米株式相場は大幅続伸。欧州連合(EU)首脳会議で救済 基金を1兆4000億ドルに拡充することで合意したほか、米国の7-9 月期実質GDPの伸びの加速が追い風となった。S&P500種株価指 数は前日比3.4%高の1284.59と8月初め以来の高値。米国債相場は 大幅安。米10年債利回りは19bp上昇し2.39%程度。一時は2.41%。

--取材協力 船曳三郎 Editors:Masaru Aoki,Hidenori Yamanaka

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