10月27日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが大幅上昇、欧州の包括策を好感-円は最高値更新

27日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで上昇。 約1年ぶりの大幅高を記録した。欧州首脳らが欧州金融安定ファシ リティー(EFSF)の融資能力拡大で合意に達し、ギリシャ債の ヘアカット(債務減免)でも対策がまとまった。

円は対ドルで過去5日のうち4度目の最高値更新となった。 日本銀行が金融政策決定会合で追加金融緩和を決めたが、市場では 円高を抑制することは難しいとの見方が広がっている。南アフリ カ・ランドとオーストラリア・ドルは対ドルで上昇。7-9月(第 3四半期)の米経済成長率がここ1年で最も高い水準を記録し、ド ルへの逃避需要が減退した。

ゲイン・キャピタル傘下のオンライン為替取引会社FORE Xドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチーフス トラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は「欧州首脳は最低でも数 カ月の時間を稼いだ」と述べた。「欧州首脳会議前でもユーロには 上昇圧力がかかり、ドルは売り圧力を受けていただけでなく、リス ク通貨も上昇し、株も上げていた」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、ユーロは対ドルで1ユ ーロ=1.4189ドル。一時は2.5%高の1.4247ドルと、9月6日 以来の高値に上昇する場面もあった。日中の上昇率としては2010 年7月以来で最大。ユーロは対円では1.7%上昇して1ユーロ= 107円70銭。円は対ドルで0.3%値上がりして1ドル=75円92 銭。一時は戦後最高値の75円66銭をつけた。

高利回り通貨が高い

豪ドルは対米ドルで3%高。欧州での包括策合意や米実質国 内総生産(GDP)の伸びで高利回り通貨への需要が拡大した。南 アフリカ・ランドも対ドルで3%上昇した。

欧州首脳は26日、それまでの4日間で2度目となった首脳会 議で、ギリシャ債務の民間投資家の損失負担を50%とし、EFS Fの実質的な融資能力を1兆ユーロに拡充することを決めた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は1.7%低下して74.958。200日移動平均を下回った のは9月15日以降では初めて。

米商務省が27日に発表した第3四半期(7-9月)の実質国 内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.5%増だった。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値と一致した。 第2四半期は1.3%増だった。

カナダ・ドルは対米ドルで1.3%上昇。メキシコ・ペソも同 2%値上がりした。両国にとって米国は最大の貿易相手国である。

日銀の追加金融緩和

日銀は27日、金融政策決定会合で、世界経済の先行き不透明 感や円高により日本経済の下振れリスクが高まっていることに対応 するため、金融緩和の強化を決定。資産買い入れ等基金を「50兆 円」から「55兆円」に拡大することを発表した。政策金利は0-

0.1%に据え置いた。円は同発表後も上昇した。

◎米国株:大幅続伸、S&P500種は3.4%高-欧州危機対策を好感

米株式相場は大幅続伸。欧州連合(EU)首脳会議では救済基金を 1兆4000億ドルに拡充することで合意したほか、米国の実質国内総 生産(GDP)の伸びが加速したことが市場に追い風となった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)とJPモルガン・チェースは大 幅高。欧州市場で銀行株が急伸した流れを引き継いだ。経済活動の指標 とみなされるダウ輸送株平均は5.2%上昇し、月間上昇率も20%に達 した。アルコアやゼネラル・エレクトリック(GE)を中心に、経済成 長と結びつきの強い企業銘柄が値を伸ばした。

S&P500種株価指数は前日比3.4%高の1284.59。年初来の 下げを埋め、8月1日以降の最高値に達した。10月に入って以降、27 日までに同指数は14%上昇している。ダウ工業株30種平均は

339.51ドル(2.9%)上げて12208.55ドル。小型株で構成する ラッセル2000指数は5.3%上昇。月間の上昇率は19%となった。 米株式市場の推定出来高は約119億株。過去3カ月間の平均取引量を 29%上回った。

マーケットフィールド・アセット・マネジメント(ニューヨーク) のマイケル・ショール会長は、「欧州の解決策はどちらかというと草 案段階に近いが、市場にとってはタイミングが良かった」と指摘。 「市場が欲していた考え方は、欧州に解決を模索する機会を与え、恐 らく問題は解決して過去のものとなるだろうと期待することだった」 と述べた。

欧州の債務危機懸念を背景に、S&P500種は今月初めに年初来 安値を付けた。一時、4月に付けた年初来高値からの下落率があと 1%で20%に達するところまで迫り、弱気相場入り目前となってい た。

危機対策で合意

この日は世界的に株価が上昇した。欧州指導者らは民間投資家のギ リシャ債損失負担を50%とすることで投資家を説得。ユーロ圏の救済 基金については1兆ユーロ規模への拡充を決めた。対策案には、国際通 貨基金(IMF)が大きな役割を果たすと思われる域内銀行の資本増強 や、一段の債務削減努力へ向けたイタリアの誓約が含まれる。また、欧 州中央銀行(ECB)による流通市場での国債購入継続が示唆された。

RBCキャピタル・マーケッツの機関投資担当チーフストラテジ スト、マイルズ・ザイブロック氏は27日のリポートで、「欧州での合 意によって、破滅的なシナリオは遠のいた。リスクスプレッドにはプ ラスに働く。取引総額も拡大するだろう」と分析。同氏は米国株の投 資判断を「マーケットウエート」に引き上げた。

米経済指標が追い風

S&P500種の金融株指数は6.2%上昇した。2年ぶり低水準 に下げた10月3日以降、同指数は25%上昇し強気相場入りした。 BOAは9.6%高の7.22ドル。JPモルガン・チェースは8.3%高 の37.02ドルでこの日の取引を終了した。

第3四半期の米GDP成長率が今年最も速いペースで拡大したこ とも、相場を押し上げる材料となった。個人消費や企業投資が寄与し た。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数は前週からやや 減少した。失業保険の継続受給者数は15日までの1週間で減少し、 3年ぶり低水準となった。一方、9月の米中古住宅販売成約指数は予 想に反して低下した。

経済成長と最も結びつきの強い企業銘柄で構成するモルガン・ス タンレー景気循環株指数は5.2%上昇。米国でアルミ生産最大手のア ルコアは9.5%高の11.34ドルと急伸。GEは6.2%上げて

17.37ドルで引けた。

◎米国債:30年債利回り、2カ月で最大の上昇-リスク選好高まる

米国債相場は大幅安。30年債利回りは約2カ月で最大の上昇とな った。欧州首脳が域内のソブリン債危機解決に向けた包括案で合意し、 高利回り資産を求める動きが高まったことが背景にある。

この日実施された7年債入札(発行額290億ドル)では需要が 2年ぶり低水準となり、これに反応して米国債は下げを拡大した。10 年債利回りは一時、約2カ月ぶり高水準を付けた。欧州での包括案合 意で世界的な景気低迷が回避されるとの見方から株価が上昇したこと が手掛かり。

野村ホールディングス(HD)の金利戦略責任者、ジョージ・ゴ ンキャルベス氏は「市場では欧州をめぐる懸念が広がっていたが、現 在ではそれが解消されて高利回り証券を求める動きが広がっている。 これは米国債には下押し圧力となる」と説明した。

30年債利回りは一時、前日比23ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇して3.45%を付け、8月11日以来の大幅な 上げとなった。ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニュ ーヨーク時間午後4時32分現在は21bp上昇の3.43%。同年債 (表面利率3.75%、2041年8月償還)価格は4 1/8下げて 105 30/32。

10年債利回りは17bp上昇し2.38%。一時2.41%と8月9 日以来の高水準となった。既発7年債の利回りは14bp上げて

1.80%。

米株式市場では、S&P500種株価指数が3.4%高となった。

米経済成長

7-9月(第3四半期)の米経済成長率は、ここ1年で最も高い 伸びを示した。これも手掛かりに米国債相場は下げた。

第3四半期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)速 報値は前期比年率2.5%増だった。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミストの予想中央値と一致した。4-6月(第2四半期) は1.3%増だった。

FTNファイナンシャルの機関債調査責任者、ジム・ボーゲル氏 は「モメンタム(勢い)を一変させる材料だと市場が考えるようなニ ュースが出てきている」と指摘。「米金融当局が景気に関してそれほ ど懸念せず、当初考えていたよりももっと早く利上げに動くと市場は 確信しているように思われる」と述べた。

インフレ期待は2カ月ぶりの水準に高まった。消費者物価の予測 値を示す10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)との利回り 格差(ブレークイーブンレート)は一時2.19ポイントと、8月16 日以降で最大となった。

買い推奨

シティグループは3年債に買い推奨を出した。シティのストラテ ジスト、ブレット・ローズ氏は27日付の調査リポートで、「米連邦 公開市場委員会(FOMC)は長期間、政策金利を据え置く可能性が 高い」と予想。「このところの前向きなニュースにより、FOMCが 緩和策の解除に向けて動くことはなさそうだと当社は考えている」と 説明した。

◎NY金先物:上昇、一時1750ドル台回復-ドル下落で代替需要

ニューヨーク金先物相場は上昇。一時はオンス当たり1750ドル 台を回復した。ドルが下落したことで、代替資産としての金に買いが 入った。このままいけば週間では2009年1月以来の大幅高となる。

ドルは主要6通貨のバスケットに対して09年3月以来最大の下 落。欧州の首脳は域内救済基金の融資能力を拡大することに合意した。 金は年初から23%上昇している一方、ドルは5.1%下落している。 この日は産業用金属やエネルギー、穀物も値上がりした。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・ レシュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「欧州の行動を受け たドルの下落とインフレ懸念が金の買いを誘っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比1.4%高の1オンス=1747.70ドルで終了。一時 は1751.30ドルと、先月23日以来の高値を付けた。週初からは

6.8%値上がりしている。

◎NY原油:3カ月ぶり高値、米GDPや欧州包括策合意で

ニューヨーク原油先物相場は反発。約3カ月ぶりの高値となった。 米経済成長率がここ1年で最も高い伸びを示したことや、欧州の首脳 が域内債務危機封じ込めに向けた包括策で合意したことが背景。

米商務省が発表した第3四半期(7-9月)の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比年率2.5%増加し た。欧州首脳はギリシャ債務の民間投資家の損失負担を50%とし、 救済基金の実質的な融資能力を1兆ユーロに拡充することを決めた。

コンサルティング会社、プレステージ・エコノミクス(テキサス 州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は、「この2つのニ ュースが合わさって著しい楽観につながる可能性が高い」と指摘。 「最も重要なのは経済に対して一定の信頼感が回復したことだ」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比3.76ドル(4.17%)高の1バレル=93.96ドルで終了。終 値では8月1日以来の高値となった。年初からは2.8%値上がり。

◎欧州株:続伸、ストックス600は12週ぶり高値-サミット合意で

27日の欧州株式相場は続伸。ストックス欧州600指数は12週 間ぶり高値に達した。欧州首脳がソブリン債危機を断ち切るため救済 基金の実質拡大で合意し、これを好感した。

欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の能力を1兆ユーロ (約107兆円)に拡充する合意を受け、フランスの銀行最大手BN Pパリバやドイツ同業最大手のドイツ銀行が大幅高。高級ブランド 「グッチ」などを傘下に置く仏PPRは5.4%の上昇。市場予想を 上回る第3四半期売上高が材料視された。

ストックス欧州600指数は前日比3.6%高の249.42で終了。 8月3日以来の高値となった。欧州債務危機への解決策で当局者が合 意するとの見方から、9月22日に付けた年初来安値から16%上昇 している。

ノッツ・ストゥッキ(ジュネーブ)のファンドマネジャー、ピエ ール・ムートン氏は「市場にはびこっていた恐怖感がいくらか取り除 かれた」と指摘。「欧州首脳が合意に達し、計画がまとまった。これ は金融株を上昇させるものだ。国有化の恐れがもはやないからだ。銀 行セクターに対する安堵(あんど)感がある」と説明した。

この日の西欧市場では、全18カ国で主要株価指数が上昇。欧州 首脳は危機を封じ込める対策を強化するよう求める世界からの圧力に 対応し、ギリシャ債を保有する民間投資家の損失負担を50%とした ほか、EFSFの実質拡大や銀行の資本増強などを決めた。

ストックス欧州600指数を構成する業種別指数で銀行株は

8.9%上昇と、2010年5月以来の大幅高。BNPは17%上げ

35.13ユーロ、ドイツ銀は15%高の32.80ユーロでそれぞれ終了。 PPRの終値は116.50ユーロ。

◎欧州債:ドイツ国債が大幅安、首脳会議合意で逃避需要が後退

27日の欧州債市場ではドイツ国債が下落。同国の10年債利回り は11週間で最大の上げとなった。欧州首脳が域内のソブリン債危機 解決に向けた包括案で合意したことを背景に、域内で最も安全とされ るドイツ国債の需要が後退した。

ドイツ国債に対するスペインとイタリアの国債の利回り上乗せ幅 (スプレッド)は縮小した。合意には欧州の救済基金である欧州金融 安定ファシリティー(EFSF)の拡充やギリシャ債務の民間投資家 の損失負担を50%とすることなどが含まれる。クレジット・デフォ ルト・スワップ(CDS)市場では、欧州のソブリン債を保証するコ ストが低下し、ほぼ2カ月ぶりの低水準となった。

イタリア国債は続伸。欧州中央銀行(ECB)が同国債を 購入したもようであることが支援要因。この日の上昇で利回りは低下 したものの、前月末の水準を依然として上回っている。

クレディ・スイス・グループ(チューリヒ)の債券ストラテジス ト、カーステン・リノウスキー氏は、「何らかの形で合意に達したこ とに対する市場の反応はポジティブだ」と述べ、「リスク意欲を増幅 させたため、ドイツ債利回りは上昇した」と続けた。

ロンドン時間午後4時44分現在、独10年債利回りは前日比17 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.21%。一時 は18bp上昇し、8月8日以降の最大となった。同国債(表面利率

2.25%、2021年9月償還)価格はこの日、1.5下げ100.380。 独2年債利回りは14bp上げ0.66%。

一方、スペイン10年債利回りは前日比15bp低下の5.33%。 8月2日には6.28%まで上げ、ユーロ導入以後の最高を記録した。 独10年債とのスプレッドは32bp縮小し312bp。イタリア10 年債利回りは5bp下げ5.88%。この結果、独10年債に対する上 乗せ利回り幅は367bpと、前日の389bpから縮まった。

◎英国債:10年債が3日ぶり下落-債務危機対応での欧州首脳合意で

27日の英国債相場は下落。10年債は3日ぶりに下げた。欧州首 脳が高債務国向けの救済策拡充で合意したことから、比較的安全とさ れる英国債の需要が後退した。

ブリュッセルで開催された26日の首脳会議で、各国首脳は合意 はソブリン債危機を収束する道筋を示す措置だと説明した。

ロイズ・バンク・コーポレート・マーケッツ(ロンドン)の外国 為替ストラテジスト、ジェニファー・ハウ氏は「欧州首脳会議の声明 が全体的なリスクテーク意識を支援した」と語った。

過去4日間で2回目となった首脳会議で欧州各国は、ギリシャを 発端とする危機がイタリアやスペインに波及するのを防ぐため、救済 基金の実質的な融資能力を1兆ユーロ(約106兆円)に拡充するほ か、ギリシャ債務の民間投資家の損失負担などで合意した。

10年債利回りは前日比15ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇の2.62%。2年債利回りは1bp上げ0.59%。7 bp上昇する場面もあった。

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