メルケル独首相:ユーロ圏危機救済で手腕、EU盟主の立場を確立

欧州首脳らがブリュッセルで 10時間かけて協議した危機解決への包括策は、メルケル独首相が思 い描いた通りの結果になったようだ。

メルケル首相は、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を 最後の手段として利用することでサルコジ仏大統領を説き伏せ、危 機解決策における欧州中央銀行(ECB)の役割強化を回避し、さ らに銀行が負担するギリシャ債の損失分引き上げを決めた。またイ タリアのベルルスコーニ政権に対しては一段の債務削減を迫った。

フレンズ・オブ・ヨーロッパのアナリスト、シャダ・イスラム 氏は、「メルケル首相は望み通りの結果を手に入れた」と話し、「こ れでドイツは、ユーロ圏危機だけでなく、欧州連合(EU)と域外 の関係でも行方を左右する重要な立場にいることが決定的になった」 と続けた。

ギリシャ発の欧州債務危機から2年が経過し、メルケル首相は ようやく、欧州最大の経済大国であるドイツの首相としてだけでな く、ユーロ圏救済策に国際的な影響力を呼び込んだ最大の貢献者と しての地位も確立しつつある。

メルケル首相の地位強化

ドイツのフォルサ・ポリング・インスティテュートのアナリス ト、ピーター・マトゥチェク氏は、「メルケル政権への信頼感は非 常に厳しいものがあった」と述べ、「有権者として政府の方向性を 見極める必要がある。メルケル首相が少なくとも断固とした姿勢を 示せたのは良かった」と続けた。さらに、同首相には「これである 程度の余裕ができた」と指摘した。

メルケル首相は26日に、EFSFの規模を実質的に拡大する 案でドイツ議会の支持を取り付けた後、ブリュッセルでの欧州首脳 会議に乗り込んだ。同首相は、ドイツがEFSFに提供する保証は 現在の水準である2110億ユーロを超えないこと、さらにECBに は、危機収束を目指した国債購入プログラムの継続を頼らないこと を公約し、党派を超えた支持を集めた。全15ページのEU首脳会 議声明ではECBの国債購入プログラムは言及されなかった。

欧州国際政治経済研究所(ECIPE)のフレドリク・エリ クソン所長は、メルケル首相は「欧州での救済策メカニズムにEC Bが組み込まれることを回避したいと望んでいたが、まさにその通 りになった」と述べた上で、「ギリシャ債についてドイツはさら なるヘアカット(債務減免)率を望んでいただろう」と指摘した。

メルケル首相率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)のフォ ルカー・カウダー氏は、欧州危機の解決に向けて、EU首脳会議は 「大きく前進した」と評価し、「メルケル首相にとっても大勝利だっ た」と述べた。

独ビルト紙は、電子版でのトップ画面の見出しで「世界がメル ケル首相を祝福」と伝えた。

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