【クレジット市場】オリンパスはアジアのテク企業で最も高リスク

過去の買収をめぐる支払い問題で 株主から批判を受けているオリンパスに対して債券市場は、アジアの テクノロジー業種の中で最もリスクが高い企業と判断している。

バークレイズによると、オリンパス債を3年間保証するクレジッ ト・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドは27日、895ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)と、21日の750bpから上昇 した。この水準はアジアのテクノロジー企業の中で最も高く、平均の

132.4bpの7倍に近い。ブルームバーグのデータが示した。

オリンパスはマイケル・ウッドフォード社長(当時)を解任した 14日以降に株価が急落。2008年の英ジャイラス買収でファイナンシャ ル・アドバイザーに計6億8700万ドル(約520億円)を支払ったこと などが問題視され、不祥事を嫌う投資家から敬遠された。

日本のメーカーの社債スプレッド(国債への利回り上乗せ幅)は 7カ月ぶりの低水準に近いものの、医療機器などを製造するオリンパ スの借り入れコストは上昇している。

SMBC日興証券の阿竹敬之チーフクレジットアナリストは「投 資家はコーポレートガバナンスの問題が出ている会社の債券を買う理 由をつけにくい」として、「こういった話が出てくると業績そのものよ りも、この会社は大丈夫か、という話になってしまう」と指摘した。

格付け見直し

格付投資情報センターは20日に、オリンパスの格付け「A」の見 直しを開始した。「財務面の課題を克服できるか不透明感が強まってい ると言わざるを得ない」とし、「今回の騒動の行方と、経営への影響を 見守る」と説明した。

オリンパスの社債発行残高は1100億円。ローンの借入残高は3529 億円。最大の貸し手銀行は三井住友銀行で、3月31日時点で903億円 だった。三菱東京UFJ銀行は779億円、みずほ銀行は620億円、日 本生命245億円。6月29日の政府への届け出が示している。3行の広 報担当者はコメントを控えた。

バークレイズ・キャピタル証券クレジットトレーデイング部の土 屋剛俊ディレクターは「オリンパスの有利子負債は大きいので、債権 者の中にはリスクをヘッジしたい人もいるだろう」と指摘。また「ス キャンダルが関係する会社のリスクを新たに取りに行くのは難しいの で、なかなかオファーがない」と述べた。

オリンパスでは26日、菊川剛会長兼社長が代表権を返上して取締 役へ降格。後任社長が発表された。同社は問題の手数料支払いについ て違法性はないとしている。ウッドフォード元社長はコンサルティン グ会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)に委託した調 査報告書を公にするとともに、米連邦捜査局(FBI)に接触し関連 書類も提出する姿勢を明らかにした。

株価乱高下

オリンパス株はウッドフォード氏の解任以降に45%下落したが、 再度の社長交代を受けて27日は一時26%高となった。

大王製紙では先月、連結会社からの借り入れの問題で会長が辞任。 近鉄は子会社の元社長が売上高水増し問題で取り調べを受けていると、 共同通信が今月25日に報じた。

ブルームバーグのデータによれば、大王製紙の5年債のスプレッ ドは26日に183.2bpと、9月16日の会長辞任発表前と比べ119.5 bp上昇。

近鉄債のCDSスプレッドは26日に393.8bpと、21日の290.2 bpから上昇していた。CMAのデータが示した。

UBS証券の後藤文人クレジット調査部長は、これらの不祥事に よって投資家のリスク回避が広がる可能性があるとして「クレジット スプレッドは、弱い発行体から広がりやすい」と話した。

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