【クレジット市場】丸紅のCDSコスト、原発問題の東電に次ぐ高水準

穀物の取扱高で国内1位の商社、丸 紅の債務保証コストが今月、国内企業の中では、原発問題に直面してい る東京電力に次ぐ高水準となっている。世界景気の低迷が予想される中 で、最高益を目指す同社の業績見通しに懸念が出ている。

丸紅の債務リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ (CDS)の5年物は、470ベーシスポイント(1bp=0.01%)前後 と、日本政府が東日本大震災の影響や円高進行を理由に9月の月例経済 報告で企業収益見通しを下方修正した直後の170bp台から大きく拡大 した。

ブルームバーグが集計したデータによれば、これは、3月の大震災 に伴う福島原子力発電所の放射能漏れ事故で信用不安が一気に広がった 東電に次ぐ大きな保証コストだ。アジアの同業他社215社の平均と比べ ても倍以上のコストとなっている。

CLSAアジア・パシフィック マーケッツ(東京在勤)のアナリ スト、ペン・バウアーズ氏は19日のインタビューで、無数の取引相手を 持つ商社にとって、世界経済が低迷すれば、取引相手から多数の債務不 履行が起きるリスクが出るということだと説明した。丸紅は、こういっ た企業の中でも、自己資本に対する有利子負債などの割合であるギアリ ング比率が最も大きいという。

丸紅は、2012年3月期の連結純利益を前期比25%増の1700億円と08 年3月期の1473億円を上回り過去最高益を見込む。一方、株式市場で同 社の株価は400円台と09年以来の安い水準で推移しており、2000年代に 入ってからの高値と比べ半分以下だ。

リーマン・ショックを受けた09年3月のCDS市場で丸紅の債務保 証コストは過去最高の1600bp超えとなった後、3カ月足らずで200b p台まで縮小した。同コストの過去6年間の平均は約170bp。

国際通貨基金(IMF)は9月20日、世界成長見通しを下方修正す るとともに、欧州が債務危機を封じ込められず、米国で財政赤字削減計 画をめぐる交渉が行き詰まれば「深刻な」悪影響が生じると指摘した。

IMFは、中国の今年の成長率予想を9.5%と、6月時点の予想

9.6%から引き下げ、ユーロ圏についても今年1.6%、来年1.1%と、従 来の今年2%、来年1.7%から下方修正した。