オリンパス:FA支払額は妥当、成長戦略に沿って判断-英社買収

オリンパスの高山修一新社長は27 日に都内で記者会見し、英ジャイラス買収の際にファイナンシャルアド バイザー(FA)に支払った6億8700万ドルについて、同社の成長戦 略に沿っており、その価値はあったと強調した。この支払額については 解任された元社長が巨額過ぎるとしてその不透明さを指摘している。

「過去の買収案件に関する追加情報について」と題する発表資料に よると、FAを務めたのは国内外の証券会社で勤務経験がある佐川肇氏 が代表を務める「Axes(アクシーズ)アメリカ」など。

FA支払いの大部分を占めるのは、株式オプションの対価としてF Aに割り当てたジャイラス優先株の買い取り分。当初価格が1億7700万 ドルだった優先株を、オリンパスは昨年3月に約3.5倍の6億2000万ド ルで買い戻した。

これはジャイラスの再上場断念でオプション行使に見合う利益を見 込めなくなったFA側が買い取りを希望したため。高山氏は会見で、F Aへの支払い規模について「内視鏡依存からの脱却の方法の1つ」であ る「ジャイラス買収で将来得られる価値」からすれば「ペイすると判断 した」と強調した。

金融危機で選択肢

会見に同席した川又洋伸取締役によると、08年秋の米金融危機な どでFA側は第三者への売却を受け入れるか、買い取りを行うかの選択 をオリンパスに要請した。同社は1年超の交渉の結果、「外科事業の拡 大」で優先株の価値増加が見込めるなどと判断し、この金額での買い取 りを決めたという。

川又氏によると、差額4億4300万ドルに関しては410億円強をオ リンパスののれんの項目に計上。この額はジャイラス買収実施時の08 年3月期にのれんに計上した1680億円とは別。 ただし、その後償却を 進めている。

また、同席した森久志副社長によると同社と、アクシーズや佐川氏 とは04年ごろからの付き合い。06年に計画したものの実現はしなかっ た大型M&A(企業の合併・買収)案件でFA契約し、その「力量を評 価」。ジャイラス買収の際は「他のコンサルタントとは比較せず」にF Aを依頼した。同社買収後は関係が途絶しているという。

森氏はまた、国内3社の買収は「ファンドの運営者に依頼した」こ とから、もともとの株主に関する詳細は把握していないと述べた。

解職されたマイケル・ウッドフォード元社長は、ジャイラス買収の FA支払い規模や、それ以前に実施した3社の買収を問題視していた。 一方、26日に代表権を返上して会長兼社長から取締役に降格となった 菊川剛氏ら現経営陣は、支払い額が適正だったと反論していたが、株主 からの調査要請もあり、第三者委員会の設置を決めている。

再び「74年以来最大」

27日のオリンパス株価は、前日のトップ交代を好感して買い気配 から急反発していたが、午後に会見が終了した後に上げ幅を拡大、前日 比26.3%高まで買われている。この日中上昇率は1974年以来で確認可 能なレベルでは最大規模。午後2時38分時点では同216円(19.7%) 高の1315円で推移し、売買代金は883億円と国内上場株で首位。

株価は逆に、ウッドフォード氏が買収案件について指摘したと報じ られた後の17日には同24.5%安と、同じく74年以降で確認不可能な 日中下落率を記録していた。

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