円が対ドルじり高、当局の円売り介入を見極め-一時75円86銭(訂正)

東京外国為替市場では、午後の取 引で円がドルに対してじり高に推移した。日本銀行が資産買い入れ等 基金の増額を発表した直後はやや円安に振れたものの、市場では当局 の円売り介入を見極めたいとの姿勢が根強く、円の下値は限定的とな った。

1ドル=76円ちょうど近辺で推移していたドル・円相場は、午後 に日銀の金融政策決定会合の結果が伝わると、76円25銭前後まで円 安が進行。しかし、持続的な円売りの動きにはつながらず、その後75 円86銭まで円がじりじりと値を戻し、午後3時35分現在は75円88 銭付近で取引されている。

外為どっとコム総合研究所の植野大作主席研究員は、市場では日 銀会合とタイミングを合わせて、円売り介入が入るとの期待もあるが、 来週は米国で連邦公開市場委員会(FOMC)と雇用統計の発表を控 えて、「無駄打ちできない介入の玉はとっておくとの見方もある」と説 明。仮に今日、介入がなくても、それで全くないという訳ではなく、 「いつ出てくるか分からないという」状況下で、「介入水準の打診相 場」が続き、円の上値をじりじりと試す局面もあり得るとみている。

日銀はこの日のこの日の金融政策決定会合で、資産買い入れ等基 金を「50兆円」から「55兆円」に拡大することを決定。増額に当たっ ては長期国債を対象とする。決定は8対1の賛成多数。反対したのは 宮尾龍蔵審議委員で同委員は60兆円への増額を提案したが、反対多数 で否決された。政策金利は0-0.1%に据え置いた。

植野氏は、日銀会合について、かなり思い切った追加緩和が提示 されたときのみ円安に振れるが、予想通りの結果では市場は織り込み 済みのため、「円高もしくは無風通過」という結果になるとみていた。

ユーロは急伸

一方、欧州各国は26日から開いた首脳会議で債務危機封じ込めに 向けた包括策で合意。対策を強化するように求める世界からの圧力に 対応し、ギリシャ債務の民間投資家の損失負担を50%とし、救済基金 の実質的な融資能力を1兆ユーロ(約106兆円)に拡充するほか、銀 行の資本増強を決めた。

ギリシャ債務のヘアカット(債務減免)をめぐっては、ぎりぎり まで欧州首脳陣と負担を強いられる域内銀行団との間で交渉が難航し ていたが、世界の銀行業界を代表する国際金融協会(IIF)のダラ ーラ専務理事は最終的に合意する声明を出している。

みずほ信託銀行の浅岡均シニアストラテジストは、ユーロについ ては「協議が難航している、時間が掛かり過ぎることが嫌気されてい る面があったので、対応が進展したということで好感された」と指摘。 「ユーロの過度なショート・ポジション(売り持ち高)が多少巻き戻 される可能性はある」とみている。

ギリシャ債務の負担をめぐる合意後は、ユーロが上昇基調を強め、 ユーロ・ドル相場は午後の取引で一時1ユーロ=1.4014ドルと、9月 8日以来の水準までユーロ高が進行。朝方の取引では銀行団との交渉 をめぐる不透明感を背景に1.3864ドルまで下押しされる場面も見ら れていた。

ユーロ・円相場も一時1ユーロ=106円51銭と、19日以来の水準 までユーロ高・円安が進んでいる。

ただ、外為どっとコムの植野氏は、ヘアカットしたギリシャの借 金が消えてなくなるわけではなく、結局、銀行や他国に負担を付け替 えているだけということになると指摘。付け替えられた側が被る「2 次災害や風評被害」を見極めながら、問題が片付いたかを評価する必 要があると説明している。

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