元ゴールドマンのグプタ元取締役を起訴-米大規模インサイダー事件(

米ゴールドマン・サックス・グル ープのラジャット・グプタ元取締役は26日、ヘッジファンドの米ガリ オン・グループを舞台にした大規模インサイダー取引事件で、米検察 当局から共謀と証券詐欺の罪などで起訴された。グプタ被告は同事件 で起訴された金融業界関係者では最も社会的地位の高い人物。

ニューヨーク・マンハッタン連邦地裁に提出された起訴状によれ ば、罪状は5つの証券詐欺罪、証券詐欺での共謀罪となっている。米 証券取引委員会(SEC)もこの日、不当利益の返還などを求めてグ プタ被告を提訴した。グプタ氏は米プロクター・アンド・ギャンブル (P&G)の取締役も務めていた。

起訴状は「2008年から09年1月にかけてグプタ被告が、ゴール ドマン・サックスとP&Gの取締役会メンバーとしての立場から入手 した非公開情報をラジ・ラジャラトナム被告に対し、同氏が証券売買 にそうした利用することを認識した上で明かした」としている。ラジ ャラトナム被告は米ガリオン・グループの共同創業者でこの事件の中 心人物とされる。

保釈金7.6億円

マンハッタンにある米連邦捜査局(FBI)のオフィスにニュー ヨーク時間午前8時(日本時間午後9時)ごろに出頭・逮捕されたグ プタ被告は、ジェド・ラコフ連邦地裁判事に対し無罪を主張。同被告 は保釈されたが、旅行は米国本土に制限され、旅券の提出を命じられ た。保釈金は1000万ドル(約7億6200万円)。ラコフ判事は4月9日 に公判を開くことを決めた。

グプタ被告側のゲーリー・ナフタリス弁護士は25日、「グプタ氏 が違法行為に関与したとの主張は事実無根だ」と電子メールでコメン ト。違法な証券取引やラジャラトナム被告への情報漏えいは一切ない とし、「見返りとして利益」を得たとの疑惑を否定している。

ゴールドマンの広報担当スティーブン・コーエン氏は、コメント を控えた。

起訴状によれば、08年9月23日のニューヨーク証券取引所の取 引終了前にグプタ被告はゴールドマンの取締役会に電話で参加。この 取締役会では、ゴールドマンが米投資・保険会社バークシャー・ハサ ウェイからの50億ドルの出資を受け入れることを決めた。「グプタ被 告が取締役会に参加していた電話を切ってから16秒ほどたった午後 3時54分ごろ、同被告のアシスタントがラジャラトナム被告に電話し、 その電話にグプタ被告をつないだ」としている。

FBIと検察当局はヘッジファンド、IT企業、銀行、コンサル タント会社などを舞台とした違法取引を4年間にわたって捜査してい た。米司法当局がヘッジファンドをめぐる同国史上最大のインサイダ ー取引摘発劇と位置付ける同事件で、09年10月に逮捕されたラジャ ラトナム被告は、今年5月にマンハッタンの連邦地裁で証券詐欺の罪 で有罪評決を受け、今月には禁錮11年の量刑が言い渡された。米国の インサイダー事件で言い渡された量刑としては最長。

グプタ被告は証券詐欺罪の5つの罪状で有罪となれば最長20年、 共謀罪では最長5年の量刑となる可能性がある。